みどりの技術カタログ

気温差制御による防霜ファンの省エネ化技術

温室効果ガス
作目茶・果樹
技術の概要

防霜ファンは茶生産に甚大な経済被害をもたらす凍霜害の対策として広く普及している。強い自然風があると防霜ファンの送風による空気攪拌効果が小さく、送風の必要性が低い。本制御技術は、樹冠面付近と防霜ファン設置高との気温差から風の強さを推定し、送風効果が小さい時には稼働を抑制する。(1)樹冠面付近の気温が低い(2)2つの温度センサの気温差が大きい時に防霜ファンが稼働(従来の制御は(1)のみで稼働)する。ただし気温が大きく下がった際には温度差に関わらず稼働することも可能。

効果

ランニングコストの削減

静岡県での試験結果では、稼働条件を気温差設定値1.5~2.0°C以上、樹冠面の気温3.0°C以下とすることで、電気料金を削減できる。

二酸化炭素排出量の削減

消費電力の削減により二酸化炭素排出量が削減できる。これまでの試験では従来制御に比べ最大で6割削減された。

導入の留意点
  • 温度条件設定は慎重に

    地域や茶園環境により異なる可能性がある。

    目安は(1)の樹冠面付近の気温は従来と同じ、(2)の気温差は1.5~2.0°C程度。

  • 凍霜害防止効果は従来と同様
その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

市販の状況

フルタ電機株式会社からHL-100として市販

普及の状況

全国の茶園、果樹園で導入

適応地域

凍霜害の発生地域

関連情報

茶における防霜ファンの気温差制御技術について(2014)

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