みどりの技術カタログ

鶏ふんを原料とする腐植酸高含有堆肥の生産と利用

肥料
有機農業
作目畜産
技術の概要

ブロイラー鶏ふんの堆肥化の際に、焼酎製造過程で副生する有機性廃酸である焼酎蒸留廃液(もろみ蒸留後の残渣)を約1か月間、間欠的に散布混合して一次発酵を行い、さらに1か月かけて完熟させ、高濃度の腐植酸を含有する堆肥を生産する技術。地域の未利用資源の活用により、高付加価値資材の開発と環境保全に役立つ。生産された堆肥を農業利用することで健全な土壌の維持*と化学肥料の施肥削減が可能である。 *腐植酸が施用されることで土壌の陽イオン交換容量並びにpH緩衝能の増加、リン酸の土壌固定の抑制等土壌改良効果が期待できる。

効果

鶏ふん堆肥の高付加価値化

腐植酸を一般的な鶏ふん堆肥の1.6倍以上含み、色味が黒く、鶏ふん臭がしない特徴を持つ堆肥を生産できる。

りん酸、加里肥料の代替資材

キャベツの減肥栽培が可能。さらに、施肥に上乗せ施用することで増収。かんしょに施用することで上イモ収量の増加が期待できる。なお、窒素肥効は小さい点に留意する(肥効率10%)。

導入の留意点
  • 堆肥化時の含水率に注意

    焼酎蒸留廃液は粘性が高いことから、鶏ふんとの混合堆肥化においてはスクリュー攪拌式の堆肥化装置の利用を前提とし、堆肥化時の含水率を50%を目途に制御する。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

成分分析例

TN3.1%、TP6.1%、TK5.6%、C/N比6.1

価格帯

15kg入袋 1,300円程度で販売可

焼酎蒸留廃液散布設備の価格帯

約1千万円/一式 ※整備する堆肥舎の規模等により増額する場合がある。

改良普及の状況

特許実施許諾2件 年間生産量600トン

適応地域

全国(鶏ふんと有機性廃酸が入手可能なこと)

関連情報

特許第7021430号「高濃度腐植酸含有率の完熟肥料を製造する方法」
1技術マニュアル 混合堆肥複合肥料の製造とその利用~家畜ふん堆肥の肥料原料化の促進~
2鶏ふんを原料とする腐植酸高含有肥料生産標準作業手順書

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