みどりの技術カタログ

自給濃厚飼料としてのイアコーンサイレージ生産利用

温室効果ガス
有機農業
その他
(脱輸入)
作目飼料・生乳
技術の概要

家畜の飼料には粗飼料と濃厚飼料があり、濃厚飼料は約90%が輸入である。現在の牛乳生産において、乳量・乳質の確保には濃厚飼料の給与が必須である。 一般的に飼料用トウモロコシは茎葉を含むホールクロップサイレージとして利用されるが、雌穂のみを収穫しサイレージ化したイアコーンサイレージは栄養価が高く、自給濃厚飼料として生乳生産に利用できる。

効果

飼料自給率の向上に貢献

価格変動が大きい輸入濃厚飼料の購入費を削減できる。

乳牛の嗜好性が良い

夏季における採食量・乳量の低下を抑制する。

牛乳の差別化が可能

自給・nonGMOトウモロコシを給与した牛乳乳製品として差別化が可能である。イアコーンサイレージ給与による生産牛乳は、甘い香りを持つラクトン類が高まり、総合的においしいと評価される。

耕畜連携による資源循環の実現

畑作農家では省力作物であるトウモロコシを輪作体系に組み込むことができるほか、茎葉や家畜排泄物を圃場に還元できる。乾燥のための化石燃料は不使用でCO2排出を削減できる。

導入の留意点
  • TMRセンターやコントラクター利用が望ましい

    生産圃場集約等で収穫調製機械の稼働率を高めることで低コスト生産が可能。また、変敗による廃棄率減少と給与時の作業負担軽減にはTMRセンターでのTMR共同調製が有効。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯

生産費はTDN1kgあたり45円~92円(地域、生産面積により変動)

普及の状況

北海道内の美瑛町・中標津町(TMRセンター利用型)、帯広市(耕畜連携型)、津別町(有機畜産)で普及している。

適応地域

飼料用トウモロコシの栽培地域

関連情報

1イアコーンサイレージ生産・利用マニュアル(第1版)
2イアコーンサイレージ生産・利用マニュアル(第2版)

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