みどりの技術カタログ

越夏性を向上させた高品質牧草品種「夏ごしペレ」

その他
(気候変動の対応)
作目ペレニアルライグラス(牧草)
技術の概要

近年の温暖化に対応する持続的な飼料生産の実現に向け、越夏性を向上させた牧草品種を育成した。 ペレニアルライグラスは、飼料品質や嗜好性に優れることから家畜の増体促進と酪農での泌乳量増加が期待できることや、初期生育に優れることから追播利用などに適するため、海外では最も利用されている牧草である。 しかし、本州以南においては、夏季の高温による枯死や生育停滞によって雑草との競合に負けるなど、短期間でペレニアルライグラスの植被率が低下することがあるために、その利用は限定的である。 そこで、越夏性と収量性に優れたペレニアルライグラス品種「夏ごしペレ」を育成した。これにより、本州以南の寒冷地での放牧の推進と輸入に頼らない高品質自給飼料の生産が可能となる。

効果

越夏性が向上

ペレニアルライグラス栽培限界地域において、既存品種よりも越夏性が大幅に向上していることが示されている。

収量性が向上

放牧を想定した試験において、3年間合計の乾物収量が既存品種「フレンド」と比較して9%多収である。

導入の留意点
  • 採草利用時は、穂ばらみ期に収穫を行う

    採草利用する場合は耐倒伏性が劣るので、1番草は穂ばらみ期に収穫を行う必要がある。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯・普及の状況

種子代 2500円程度/kg(種苗会社にご確認ください)

種苗会社(カネコ・雪印・タキイ等)から販売中

適応地域

本州以南の寒冷地(東北地域や中部高標高地帯。年平均気温9~12°C)

関連情報

・夏ごしペレ栽培マニュアル(寒冷地暫定版)((国研)農研機構 東北農業研究センター(2020年))

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