みどりの技術カタログ

オーチャードグラス中生品種「えさじまん」(糖含量が高く栄養収量の多いイネ科牧草)

その他
(脱輸入)
作目オーチャードグラス(牧草)
技術の概要

「えさじまん」は、農研機構と雪印種苗株式会社が共同育成した栄養収量の多い中生品種である。糖含量が既存品種より約3ポイント高いためサイレージ発酵品質は良好となり、繊維成分が少なく、栄養価が高いことから乳牛の摂取養分量の増加により産乳量の増加が期待できる。 利用は採草を主体とする。夏季の2及び3番草が既存品種より5-6%多収で、すじ葉枯病に対する耐病性に優れ、夏季の環境耐性は優れる。アルファルファなどマメ科牧草との混播では良好なマメ科率を維持できる。 以上より、既存品種と比較して、飼料の生産性の向上が図られる。

効果

生産力と持続性が高い

チモシーよりも刈り取り後の再生力が強く、雑草に侵入されにくいため、草地としての持続性が高い。

栄養価が高い飼料を少施肥で生産可能

空中窒素固定を行うマメ科牧草との混播に適しており、窒素肥料を削減できる。糖含量が高く良質なサイレージが調製可能なため、乳牛の採食量や乳生産量が増加する。

耐暑性に優れる

耐暑性と耐乾性に優れ、夏季に発生する病害に強い。

導入の留意点
  • 1番草は出穂期までに収穫

    採草利用における1番草は、収穫適期である出穂始から遅くとも出穂期までに収穫する。刈り遅れると、品質の低下や倒伏を招く恐れがある。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

普及の状況

雪印種苗株式会社が各地の営業所を通じて種子を供給。

播種量

北海道2.0~2.5kg/10a、都府県3.0~4.0kg/10a 普及面積は約2,500ha(2021-2023年7月までの合計)

価格目安

2,700円/kg(消費税別)

適応地域

北海道全域及び北東北地域(北海道優良品種)

関連情報

・オーチャードグラス新品種「えさじまん」の育成とその特性.農研機構研究報告、4:17-40
・北海道および北東北地域向けオーチャードグラス高WSC含量品種「えさじまん」標準作業手順書

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