みどりの技術カタログ

耐暑性、夏季病害や耐湿性に優れる寒地型牧草の新品種

その他
(気候変動の対応)
作目「オーチャードグラス(牧草)、 フェストロリウム(牧草)」
技術の概要

牧草の夏枯れや湿害等による被害を低減し、国産飼料の高位安定生産を維持・向上するため、耐暑性や耐湿性に優れる新品種を開発し普及することが必要となっている。 寒冷地~温暖地の基幹草種であるオーチャードグラスについては、葉腐病に強く耐暑性を向上させた早生の新品種「まきばゆうか」の利用で暖地中標高地までの安定栽培が可能である。また、耐病性・耐暑性・消化性に優れ、秋の生育が良く、収量の多い中生の新品種「きよは」の利用により草地の永続性、高位安定生産が向上する。 オーチャードグラスに比べ利用年数は短いが、高栄養で、初期生育や耐湿性に優れる草種フェストロリウムについて高越夏性品種「那系1号」の安定した栽培利用法を開発した。

効果

暖地中標高地におけるオーチャードグラスの安定栽培

新品種「まきばゆうか」は、既存品種「アキミドリII」と比較して、暖地における越夏後の収量が約2割向上。

夏季の良質な飼料生産

オーチャードグラス新品種「きよは」は、既存品種「まきばたろう」と比べ、夏季の耐病性に優れ、3番草の消化性が1.0ポイント近く向上。

草種の適正な使い分けによる高位生産性の維持

利用年数5年以上の基幹草種オーチャードグラスと、利用年数は若干短いが高栄養で耐湿性に優れるフェストロリウムを適正に選定・利用することにより、草地の長期間の高位生産が可能となる。

導入の留意点
  • 越夏性の能力発揮には、夏季の適切な管理が必要

    越夏性に優れる品種ではあるが、その能力を発揮させるには、高刈りや適期の刈取り等、適切な栽培管理が必要である。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

オーチャードグラス「まきばゆうか」および「きよは」は海外増殖を行い、2025年を目処に市販予定。

フェストロリウム「那系1号」(市販中)

関連情報

1越夏性に優れ広域適応性を有するオーチャードグラス極早生品種 「まきばゆうか」
2耐病性・消化性に優れる寒冷地・温暖地向きオーチャードグラス中生品種 「きよは」
3採草用多年生イネ科牧草フェストロリウム品種 「那系1号」標準作業手順書

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