みどりの技術カタログ

カイコによる有用物質の効率的な生産技術

温室効果ガス
作目養蚕
技術の概要

遺伝子組換えカイコを利用して、従来の方法では生産が困難であった有用タンパク質を安定的に低コストで生産する技術を開発した。特定のタンパク質について1頭当たりの生産量を従来比約13倍に増加させるシステムを構築した。 同技術を用いて、カイコでしか作れない、またはカイコで作ると高機能になる医薬品や化粧品(抗体、ワクチン、コラーゲン等)の開発が進んでいる。

効果

カイコ生産系で従来法より温室効果ガス削減可能

カイコによる診断薬原料の生産における環境影響評価では、温室効果ガスを従来法より約9割削減できた例あり。

繭に発現させた有用タンパク質を室温保存可能

繭に有用タンパク質を発現させることで、室温で長期保存できる例がある(抗体融合シルク等)。

カイコでしか作れない有用タンパク質を生成

従来の動物細胞や大腸菌の系では作るのが難しいタンパク質を生成できる(骨粗しょう症診断薬原料等)。糖鎖修飾構造の違いにより高活性の抗体が作れる等の例もある。

導入の留意点
  • カルタヘナ法への対応(拡散防止措置等)が必要

    遺伝子組換えカイコの生産(飼育)は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(通称「カルタヘナ法」)への対応が必要。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

普及の状況

診断薬、化粧品等、6点以上が上市されている。

適応地域

農水省プロジェクト等で日本各地(6ケ所以上)での生産拠点が整備されつつある。

関連情報

・成果集(農林水産研究推進事業の取組)令和2年10月版

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