畜H03 (農)霧島第一牧場 (鹿児島県霧島町)

実証課題名
「次世代酪農業トータルスマートファーミングの実証
~乳肉複合酪農における給餌から個体管理までの自動化体系の実証」
経営概要
畜産(経産牛300頭、育成牛200頭)うち実証頭数(経産牛180頭、育成牛129頭)

導入技

①自動給餌機、②自動飼料調製機、③スマート搾乳システム、④自動哺乳機、⑤自動濃厚飼料給餌機、⑥スマート哺乳システム

  • 生産性向上:暑熱期乳量減少15%以内
  • 健全性向上:BCS許容範囲の比率10%向上
  • 子牛増体:日増体量10%増加
  • 軽労化:作業時間50%削減

目標に対する達成状況

  • 暑熱期の搾乳牛に対する給餌形態を単回給餌から2回給餌にしたことで、暑熱の影響による乳量の減少が11.4%から4.4%へと7.0%の改善が見られた。今後は自動給餌機による多回給餌に取り組む。
  • スマート哺育装置による頻回自動哺乳・給餌により、ホルスタイン種子牛の120日齢までの平均日増体重は21%増加し、目標を大きく上回る発育を達成した。
  • スマート哺育技術の導入により、哺育に要する1頭当たりの作業時間が平均25.2分と、導入前の40.1分から37%減少した。哺育頭数が増えた10月には14.3分となり、目標を超える64%の削減を達成した。

導入技術の効果

暑熱期の多回給餌

  • 暑熱期の搾乳牛に対する給餌回数を、1日1回の単回給餌から1日2回の多回給餌にしたことで、平均搾乳日数が200日から250日に延長して平均乳量は減少したが、乳量減少量は前年同期の4.5kg/日(11.4%)から1.6kg/日(4.4%)へと7.0%減少した。

自動哺乳機・給餌機による発育

  • スマート哺育技術により、哺乳期の発育が改善したことで推定体重が120日齢で115.1%、300日齢で107.8%と向上した。

哺乳・給餌における作業時間

  • スマート哺育技術により、哺乳・給餌作業や環境整備に要する1頭当たりの作業時間が、技術導入後は25.2分と、導入前の40.1分から37.4%の削減となった。

哺乳期アドバイスシステム

  • 子牛の哺乳期管理に関して、哺乳量、濃厚飼料摂取量、活動量の情報を1画面で確認できるシステムを構築した。

事業終了後の普及のための取組

  • 給餌の自動化とスマート搾乳により作業時間をさらに短縮し、PMRの均質化と効率化を行い、夏季乳生産量の増加を目指す。
  • 自動化機器からのデータを活用することで、高度な哺乳・搾乳体系を実現し、売上増加とコスト削減を両立させる。
  • 技術が安定した段階で地域振興局を通じて近隣酪農家の見学等を受け入れる。
問い合わせ先

農事組合法人 霧島第一牧場

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キーワード

畜産管理システム、ほ乳機、生産管理クラウド