果C03 (株)ジャパンプレミアムヴィンヤード (山梨県中央市)
実証課題名
山梨県における醸造ぶどう栽培のスマート農業一貫体系の実証
経営概要
醸造用ぶどう7ha(山梨県中央市4.5ha、長野県塩尻市2.5ha)うち実証面積:3ha
成果のもっと詳しい内容はこちら (成果集PDF:1.5MB)
導入技術
①栽培管理アプリケーション、②ロボット(MY DONKEY)、③簡易気象計・土壌センサー、④点滴潅水、⑤根圏制御栽培、⑥画像認識、⑦生育シミュレーション
目標
- 農薬使用量20%削減、作業時間30%削減、収穫量50%向上
目標に対する達成状況
- MY DONKEY(以下、「DONKEY」とする。)の使用により、剪定で21%、収穫で42%(下記グラフ参照)等、運搬作業での作業時間削減効果があった。現在は定植3年目の幼木であるため、成木化後の作業時間を試算したところ、全体で作業時間の30%削減ができることが示唆された。
- 収量は鳥獣害対策の実施により昨年度から大幅に向上したが、幼木のため、基準単収(1.2t/10a)を大きく下回る60kg/10aであった。成木化時に基準単収並みになれば、作業時間の削減による一人当たりの管理面積拡大の効果により、経営体あたりの収穫量50%向上が達成できる可能性がある。
導入技術の効果
DONKEY
- 剪定では、トラックでの運搬と比較して21%の作業時間削減となった。
DONKEY
- 収穫では、台車・トラックでの運搬と比較して42%の作業時間削減となった。
収穫量予測
- 画像認識技術を用いて83%の精度での収穫量予測に成功した。
- 生育段階が異なる他圃場でも、同等の精度での予測に成功した。
- 収穫20日前に撮影した圃場の一部の画像に対し、深層学習を用いた画像認識技術による房の重量の推定と、統計的推測とを組み合わせることで、圃場全体の収穫量を予測した。
日本式醸造葡萄栽培技術
- DONKEYに静電ノズルを積載した水散布試験で33%の削減効果を確認
- 根域制限ポットへの点滴潅水により土壌水分の増大30%以内制御が可
- 累積気温解析から甲州開花日0日、ヴェレゾン日ー7日の差異で予測できた
事業終了後の普及のための取組
- 今回実証した「日本式醸造ぶどう栽培体系」は、モデルケースとしては作業時間削減等の効果があることが明らかになったが、実用化に至るにはDONKEYの通年運用に向けた技術向上、成木化後の収量や作業時間の確認等が不可欠である。
- 根域制限や新たな樹形の検討、センサーを用いた土壌水分量・養分量と灌水量の関係性の検討および有効性の評価が必要。収穫量予測モデルについては、様々な圃場や品種に対する応用と、さらなる精度向上のためのアルゴリズム改良を検討していく。
問い合わせ先
サントリー(株)登美の丘ワイナリー 宮井孝之 E-mail:
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キーワード
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