茶H02 鹿児島堀口製茶(有)(鹿児島県志布志市)

実証課題名
IoT技術・ロボット化技術を活用した大規模スマート茶業一貫体系の実証
経営概要
270ha(茶270ha(系列含め)) うち実証面積:茶116ha

導入技

①スマート散水装置、②ロボット摘採機、③ロボット中切機、④営農支援ツール、⑤経営支援プログラム

  • 作業時間を40%削減、作業強度を50%低下。品質と収量の最適化で経営体の収益性10%向上

目標に対する達成状況

  • 導入したロボット茶園管理機と従来乗用管理機との協調作業やロボット管理機2台作業などの組合せで省力化を図った。作業時間は摘採作業が31%削減、中切作業が68%削減、整枝作業が47%削減でき、目標の40%を上回った。ロボット作業はオペレータが乗らないため、大きな騒音や振動から解放された。
  • 茶生産情報の一元化と見える化の達成により、ほ場ごとの品質と収量の最適化を図るための情報利用の基盤システムが構築でき、今後、経営体の売り上げの向上が期待できる。

導入技術の効果

ロボット摘採機

  • 摘採作業(一人のオペレータがロボット摘採機を2台操作するロボット2台作業)では、作業時間を31%削減(生葉のトラックへの積み込み等を含む)。

ロボット作業の作業負担

  • 騒音については、乗用管理機の運転時に比べ、オペレータの耳元における騒音が31%低減された。振動についいては、乗用管理機の運転時にオペレータが大きな振動を受けるが、ロボット作業は離れて監視するので振動から解放された。4名のオペレータに対する作業強度の聞き取り調査で、肉体的にも精神的にも楽になったと回答が得られた。

茶生産情報の一元化

  • 別々のシステムで取得・管理されていた栽培情報、 製茶情報、 製品情報などを紐づけして集約、クラウド上に一元化。

経営の見える化

  • 一元化された情報から、製茶工場の生葉荷受け量(棒グラフ)をグラフ表示で見える化。この情報を元にして令和2年度には、毎日の荷受け量を均平化。品質が揃い、生産量も増加。

事業終了後の普及のための取組

  • ロボット茶園管理機による省力効果については、営農現場での無理のない作業による作業記録の取得が重要。令和3年度以降も実作業データを取得し、省力効果の評価を行い、茶業におけるスマート農業の普及に繋げる。
  • スマート技術の導入コストについては、省力効果だけではなく、経営体の売り上げ向上も含めて評価する予定。
  • 見学者を受け入れたり、シンポジウムなどを通じてプロジェクト成果を発信したり、多くの生産者に実証結果をフィードバックする。
問い合わせ先

農研機構 果樹茶業研究部門 茶業研究領域

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キーワード

営農管理システム、データ連携、収穫機、かん水装置、生産管理クラウド、労務管理、フィールドサーバー、輸出、チャ