露C04 (株) 美土里農園ほか(栃木県茂木町)

実証課題名
小型自律多機能ロボット「MY DONKEY」を用いた中山間地域におけるナスの機械化一貫体系の実証
経営概要
(株)美土里農園(ナス5a)うち実証面積:5a
塙 朝章氏(ナス20a)うち実証面積:10a

導入技

  • 作業支援による栽培面積拡大:収穫速度10%向上+作業負荷軽減
  • 生産技術の可視化による作業改善:過剰な農薬準備量削減

目標に対する達成状況

  • 収穫作業でDONKEYを使用することで、収穫速度(分/kg)は平均で3~5%向上。収穫量が少ない段階では改善効果がより大きく、収穫速度が10%以上向上。また、収穫物を入れるコンテナをDONKEYに積載して運搬することにより、農業者の腕や手首への負担を軽減。
  • 非熟練者の農薬散布にあたり、圃場をメッシュに区切り、メッシュ毎の散布量をデータで可視化することで、農薬散布の癖を把握。以降、癖を意識することで適切な散布を実現し、非熟練者の技術習得に貢献。

導入技術の効果

収穫速度の向上

  • 収穫量が少ない時期には、収穫速度が18%程度向上。
  • 慣行、DONKEYともに1畝ごとにコンテナを入れ替えて収穫。DONKEYに積載するコンテナ数を増やせば入替回数が減り、さらに作業速度が改善する。
  • DONKEYが追従することで前方の見通しがよくなり、採るべきナスの判断がしやすくなるという声も。

収穫の作業負荷軽減

  • 慣行作業では、平均12kg、最大20kg程度のコンテナを1~3つ台車に載せて運搬する。DONKEYを使用することで台車を押す負担がなくなり、特に腕や手首への負荷が軽減。

農薬散布の作業負荷軽減

  • DONKEYがホースリールを運搬。農業者がホースを引く作業がなくなり、農薬散布作業の負荷軽減を実現。

追肥の作業負荷軽減

  • DONKEYが液肥の入ったタンクを運搬。慣行作業で最大23kgのタンクを背負っていた負担を削減し、足腰への負荷を軽減。
  • 農薬散布作業でも、少量散布の際、同様の効果があった。

事業終了後の普及のための取組

  • 実証グループメンバーのネットワークにより、他地域に対して本技術実証の紹介を行い、展開先地域の生産者およびJA等と連携して普及を推進する。特に代表機関である日本総研は、ロボットやIoT等を活用した農業に関して様々な自治体とコミュニケーションを取っており、広範なネットワークを活かして本実証の成果の紹介、技術の普及を図る。
  • DONKEYについては、本事業で得られた課題を踏まえ、令和2年3月に設立された株式会社DONKEYが研究開発をした上で市販化を進める予定。日本総研は、株式会社DONKEYと連携し、関心のある自治体等に対して本実証事業の成果を発信。
問い合わせ先

(株)日本総合研究所

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キーワード

露地野菜、フィールドサーバー、ロボット台車、なす