露C05 (有)トップリバー(長野県御代田町)

実証課題名
データを活用した農業経営をモデル化し、データに基づき安定的に収益をあげることができる次世代農業人(スマートファーマ―)育成の実証
経営概要
73ha(レタス 44ha キャベツ13ha 非結球レタス16ha)うち実証面積:9ha(レタス5ha、キャベツ4ha)63名(役員 4名 正社員 30名 パート 29名)

導入技

①計画作成支援、②作業実績/生育状況管理、③受発注管理/需給調整、④農業経営バックオフィス(会計/人事労務)、⑤生産者評価

  • レタスの出荷金額1割向上により、実証圃場の農場長の年収を同世代の全産業男性平均年収以上にする
  • データに基づいた農業経営を実践する次世代農業人(スマートファーマー)をトップリバーにて10人育成する
  • データを活用した農業経営モデルを全国の10農業経営体へ普及させる

目標に対する達成状況

  • 出荷予測や栽培管理システムを利用して、品質や反収を維持しながら作付面積を拡大し、出荷金額を6割向上させた。その結果、実証圃場の農場長の手当(平成30年度約367万円)を、同世代の全産業男性平均年収(470万円)を大幅に超える611万円に増加させた。
  • 2年間の実証期間中にトップリバーから独立した契約生産者16人に対し、データを入力・見える化するシステムの利用を定着させ、研修ではデータを用いた定量的な分析と計画が生産者個人でもできるなど、データに基づいた農業経営の実践者を10人以上育成した。
  • 生産者にシステム利用の提案を実施し、全国で13の生産者(経営体)に対して入出荷管理システムの導入および生産計画策定支援を行い、データを活用した農業経営モデルを全国の10以上の農業経営体へ普及させた。

導入技術の効果

出荷予測の実用化

  • 自動的に出荷予測データを取り込み、画面に表示することで、出荷予測日を考慮した出荷や販売計画の見直しを可能にした。
  • パラメータ調整やAI利用による出荷予測精度向上を実現した。

生育状況の共有

  • 生育状況や病害虫情報・結球状態などを栽培管理システム(トップシステム)に登録し、営農指導員も含めた生産者全体で共有できるようにした。これにより、生育状況を確認しながら、対処方法を早急に検討し、対応できるようになった。

需給調整モデルの策定

  • 受発注管理/需給調整の業務を効率的に行える仕組みを構築し、受発注管理システム(ASADOREくんクラウド)を利用した出荷団体と契約生産者間の需給調整モデルを策定した。
  • 生産者に対しては、出荷計画と実績の対比、品質評価の見える化により、次年度以降の出荷計画の正確性や品質の向上が図れる仕組みが構築できた。

バックオフィス業務の効率化

  • 受発注管理システムに売上連携機能を実装し、請求業務を効率化した。売上情報の見える化で生産者のモチベーションが向上した。
  • データ取込と自動仕訳を活用した取引の登録、決算等について、導入サポートを実施し、生産者の経理業務にかかる時間を短縮した。
  • 決算業務にかかる作業時間は、会計freee導入前に比べて3分の1程度まで短縮された。

事業終了後の普及のための取組

  • プロジェクトでは、生産者の利益最大化を実現するために、単にITシステムを導入するだけではなく、利益につながる活用ができるように、教育カリキュラムとそれに紐づく教育コンテンツを作成した。今後は、作成した教育コンテンツを用いた研修事業や、データ活用コンサルティングを含めたITシステムの導入を行い成果の普及をはかる。
  • 経営分析の結果、プロジェクトで構築したスマートファーマーを支援する仕組み(ITシステム+データ活用コンサルティング)を導入して効果が発揮されるのは、【露地野菜の契約栽培】で【売上高4000万円以上の生産者】(実証圃場のモデル生産者)および【売上高2000万円以上の生産者が集まった生産者グループ】と定義できたため、今後はこれらを対象とした提案活動を推進する。
問い合わせ先

一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター

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キーワード

流通管理システム、生育・収量等予測システム、生育予測システム、収量予測システム、出荷量予測システム、バックオフィス業務、情報共有ツール