大D08 (有)米八 (新潟県新潟市南区)

実証課題名
農業データの一元管理によるスマート農業体系の実証
経営概要
40.0ha(水稲27.5ha、大豆、麦、たまねぎ他) うち実証面積:水稲27.5ha

導入技

①自動操舵システム(トラクタ) ②土壌センサ搭載型可変施肥田植機(+直進アシスト)
③水田センサ・屋外計測センサ ④人工衛星によるリモートセンシング
⑤ドローンによるリモートセンシング・農薬散布 ⑥収量センサ付きICTコンバイン
⑦営農管理システム

  • 水稲の収量及び品質の向上
  • 企業間のデータ連携により農業者にとって利便性の高いシステムを構築

目標に対する達成状況

  • 令和2年度は、7月の長雨や日照不足、8月の40°Cを超える異常高温の影響で収量・品質共に低下 し目標値には届かなかったが、主要品種のコシヒカリ、こしいぶき、新之助は全量1等となった。
  • 農業者の声を反映させながら、営農管理システム『アグリノート』と各社サービスの連携機能を強化した。

導入技術の効果

土壌センサ付き可変施肥田植機

  • 可変施肥田植機により、田植え時に土壌肥沃度をリアルタイムセンシングしながらの適正施肥が実現。減肥により収穫前の稲の倒伏が軽減された。稲の全面倒伏圃場と非倒伏圃場においてICTコンバインによる収穫作業時間を比較したところ、倒伏の有無によって、収穫作業時間は20.2%低減できた。

人工衛星によるリモートセンシング

  • 人工衛星からのリモートセンシングによる作付け前の簡易土壌診断の開発、収穫前のタンパク含有率と籾水分率の診断を実施した。生育状況を客観的に可視化したデータを作業員間で共有し、繁忙期の情報共有と作業効率化、収穫適期での収穫を実現。乾燥コスト(燃料費)の従来比3.2%低減、歩留まり向上、タンパク含有率指定のブランド米の生産の安定化へ活用できた。

ドローンによるリモートセンシング

  • 葉色診断
    ひとつの圃場の画像を複数枚撮影することによって農地内の色ムラを定量的に算定、可視化。追肥判断の参考となった。
  • 雑草診断
    空撮画像のデータ処理を自動化することにより、解析結果の提供時間を約2日から3時間程度に短縮。迅速な除草対応が可能となった。

データ連携

  • 農業者が現場で営農管理システムに農作業記録を入力。 データ蓄積だけでなく、データ連携により、ICT農機からの作業データや人工衛星・ドローンのセンシングの結果がアグリノートに集積されるようになった。
    連携したデータを見やすく集約し、来期作付につなげる「レポート機能」を新たに実装し、農業者へ提供した。

事業終了後の普及のための取組

  • データに基づく農業経営の普及や担い手の育成のため、農業者向けセミナーや実演会等で情報発信していく。
  • 新潟県、新潟市の補助事業によりスマート農機導入支援を行う。
  • 中小規模農業者にも活用できるようなスマート農業技術体系を検討し、更なる普及を図る。例えば、複数農業者が地域単位の広範囲なリモートセンシングの診断結果を共同利用することなどにより、初期投資の少ないスマート農業の普及を進める。
問い合わせ先

新潟市農林水産部農林政策課

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キーワード

大規模水田作、田植え機、リモセン、衛星画像、生産管理クラウド、NDVI、水位センサ、技術継承、イネ