中G11 営農支援センター四万十(株)(高知県四万十町)

実証課題名
自動運転トラクターやドローンを活用した中山間地水田作のスマート農業技術体系の実証
経営概要
98ha(大豆45ha、WCS用稲44ha、飼料用米ほか6ha、ショウガ3ha)
うち実証面積:95ha(大豆、水稲)

導入技

①経営・栽培管理システム「アグリノート」、②自動運転トラクター、③直進キープ機能付田植機、④散布用ドローン、⑤ラジコン草刈機

  • 作業ごとの労働時間を20~80%削減、ほ場情報の可視化、労働管理の適正化

目標に対する達成状況

  • スマート農機一貫体系では慣行作業体系と比較して、飼料用米で25%、WCS用稲で27%、 大豆で40% 労働時間を削減
  • スマート農機による労働時間の削減により、外部委託していた作業の一部を自ら行い、委託費を削減
  • 経営・栽培管理システムにより、町内に分散する約670筆のほ場の可視化が進み、リアルタイムで作業の進捗状況を把握し、作業の計画・指示がスムーズになった。

導入技術の効果

散布用ドローン

  • 大豆防除作業では、労働時間を慣行より76%削減
  • 水稲除草剤散布では、労働時間を慣行より63%削減
    自己拡散型の剤を使用することで、さらに削減できることが示唆された。
  • 短時間での適期防除が可能となり、体への負担も大幅に軽減

直進キープ機能付田植機

  • 田植え作業では、機械作業時間を慣行より18%削減
  • 植付け時の株間キープ機能により、ほ場ごとの苗使用量を高精度に管理でき、10a当たり1枚削減
  • 直進キープ機能により深水でも真っ直ぐ植えることができ、田植え前後の落水・入水の管理を省力化できた。
  • 初級者のオペレータでも躊躇することなく田植え作業ができ、人材育成につながった。

経営・栽培管理システム

  • 約670筆のほ場の場所や面積などの情報が、現地でスマートフォン等により確認可能になった。
  • 作業の進捗状況がリアルタイムで確認できるようになり、次の作業指示が速やかにできるようになった。

自動運転トラクター

  • 隣接ほ場間で2台の無人・有人トラクターによる並行作業や直進キープ機能による効率的な作業により大豆の労働時間は耕起・整地で50%削減、播種で37%削減した。
  • 大豆播種で直進キープ機能を利用したことにより、中耕機やブームスプレーヤーによる作業のしやすさにつながった。

事業終了後の普及のための取組

  • 2年間の実証及び試験結果をもとに、スマート農機を最大限に活用し、さらなる効率化を進め、栽培管理の徹底による収益向上や外部委託費の削減を図る。
  • 得られた経営データをもとに、作型や品目・品種の見直しを行い、大規模経営体として作業分散による経営改善を図る。
  • 今後もスマート農業の実証を継続し、情報発信を行い、中山間地域の農業を支える取り組みを広げる。
問い合わせ先

営農支援センター四万十(株)

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キーワード

営農管理システム、中山間水田作、田植え機、ロボトラ、協調作業、同時作業、情報共有ツール、草刈り機、稲WCS、イネ、ダイズ、サイレージ、飼料米