畜2C02:(農)清和畜産【千葉・旭市】ほか

実証課題名
データ活用型スマート養豚モデルの実証
経営概要
経営体① (農)清和畜産 母豚600頭
経営体② 鹿児島県経済農業協同組合連合会 高山黒豚実験農場 母豚450頭
知覧子豚供給センター 母豚700頭 / 南薩肥育実験農場 肉豚2800頭

導入技

①養豚経営(繁殖・肥育)管理システム、②IoT飼育環境管理センサ、③背脂肪測定器、④体重推定機、⑤体重測定・出荷選別機、⑥個体識別機、⑦飼養作業管理システム

  • 繁殖能力の改善(売上増12.2%)
  • 産肉(肥育)能力/産肉性の改善(利益増1.7%)
  • 労働者・後継者不足の改善(利益増1.1%+技術伝承問題への貢献)

目標に対する達成状況

  • 繁殖能力の改善:離乳頭数/母豚の改善(2022年1月末時点)
    経営体①:売上高換算:79.8百万円増/年*1
    経営体②:売上高換算:21.5万円増/年*1,2

    *1 下記導入技術効果に記載した離乳頭数の上昇が年間を通じて確保され、更に販売価格等の他諸条件が同一であるとの仮定の下での年間での試算結果

    *2 高山黒豚実験農場を対象とした試算結果

  • 産肉能力の改善:上物率の改善(2022年1月末時点)
    経営体②:上物率向上 5.3ポイント(%)
  • 労働者・後継者不足の改善:母豚体調測定業務負荷低減(2022年1月末時点)
    経営体②:体調測定業務時間 45%削減*3
    *3 経営体②の農場ヒアリングの結果より、45%測定時間削減(年間1046時間のところ462時間に圧縮)と算出

導入技術の効果

①養豚経営管理システム(ICT)

  • 生産情報の即時把握が可能になり、データ解析を通じて課題抽出・入替/淘汰母豚選定などの課題対策を速やかに実行し、目標である売上増5.6%に相当する年間離乳頭数/母豚の向上を令和2年度に+0.5頭を達成。令和3年度※はさらなる改善(+3.5頭)に繋がった。

②IoT飼育環境センサ

  • プロジェク参画農場の声
    温度・湿度のリアルタイムでの可視化や、アラート通知により、直ぐに駆けつけが可能となりました。これにより、夜間帯に多かった事故を未然に防ぐことができ、事故率の改善に繋がった。

④体重推計装置

  • プロジェクト開始前と比較し、上物率が4ポイント(令和2年度)、5.3ポイント(令和3年度※)の向上に繋げた。また、トビ豚の早期検知・早期出荷に伴い、同豚房内の肥育豚の増体効率改善に繋がる可能性が確認できた。

⑦飼養作業管理システム

  • 現場作業のムリ・ムダを特定し、分娩処置作業において9h/月の工数削減(10%に相当)を達成

事業終了後の普及のための取組

  • 養豚においては本実証で行ったようなデータ解析サービスの活動はまだ広く一般化されていないため、今後の普及に向けての施策として、データ利活用方法を体系化・ユースケースを作成し、農場の経営課題に合わせて導入効果が高いプロダクトの紹介等を実施していく。
問い合わせ先

国立大学法人鹿児島大学・共同獣医学部

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キーワード

個体行動監視、営農管理システム、飼育環境センサ、非接触型体重推計システム、畜産、肥育、RFID、養豚、母豚、肉豚、ブタ