畑2H08:(有)アグリーン鹿屋他【鹿児島・鹿屋市】

実証課題名
さつまいも生産に対するスマート農業一貫体系の導入による「超省力化・規模拡大」と「単収増加・高品質化」の実証
経営概要
(有)アグリーン鹿屋ほか3生産者179.45ha(さつまいも43.19ha、牧草49.05ha、ごぼう30.6ha、ばれいしょ24.32ha、水稲17.29ha、人参10ha、里芋2ha、かぼちゃ2ha、たまねぎ1ha)
うち実証面積:でん粉用さつまいも18.07ha

導入技

①スマート育苗体系(苗床造成機⇒穴開機⇒種芋縦伏込⇒採苗)、②スマート植付体系(耕耘・整地⇒施肥・施薬・畝立・ マルチ⇒植付⇒潅水)、③ドローン(空撮・防除)、④環境計測情報技術(温度、湿度、照度、地温、土壌水分、静止画、動画等の取得)、⑤画像情報・環境情報・営農情報等の蓄積・分析

  • さつまいも生産の総作業時間を20%削減
  • 経営及び栽培環境データを蓄積・分析し、単収を10%増加

目標に対する達成状況

  • 10a当たりの投下労働時間は、34.01時間であり、H29政府統計※(59.22時間/10a)と比較して、43%の削減だったので、20%の削減目標は達成。(実証農家の慣行(36.45時間/10a)と比較して、7%の削減)
  • 環境計測装置設置ほ場の単収の平均は2,837kg/10aであり、H29政府統計(2,579kg/10a)と比較して、10%の増加だった。(実証農家の令和2年度産(2,435kg/10a)と比較して、17%の増加だった)

※H29政府統計:農林水産省発表 農業経営統計調査 平成29年産原料用かんしょ生産費(同調査は国内原料用かんしょ生産の殆どを占める鹿児島県内生産者を対象に実施しているため、鹿児島県平均値となる)

導入技術の効果

スマート育苗体系の導入

  • スマート育苗体系(苗床造成機⇒穴開機⇒種芋縦伏込)により、育苗作業時間を県平均値比42%削減。(慣行比6%削減)

環境計測装置の導入

  • 生産管理システムデータ、環境・土壌計測データを記録して、問題点等の検討や今後の栽培計画策等に活用。

ドローンによる防除

  • ドローンの自動航行で防除を行い、作業時間を県平均値比76%削減。(慣行比60%削減)

ドローンによる空撮

  • ドローンで空撮した画像を解析し、病虫害検出数を段階的にアイコンに色分けして表示することで病虫害の程度を可視化。早期発見に役立った。
  • 新品種「こないしん」」をJA鹿児島きもつき管内で49%、実証農家では収量の61%まで普及させることができた。

事業終了後の普及のための取組

  • 鹿屋農業高校生向けにスマート農業講座を開催し、さつまいも生産に対するスマート農業一貫体系の導入及びその実証結果等を説明してきた。これからも実証結果等の説明や農業実習や体験を通じて、新たな農業経営の内容等を紹介し、将来の中核的農業者の育成につなげたい。
  • 今回のさつまいも生産に対するスマート農業一貫体系の導入により、超省力化及び単収の増加等がどの様に実現できたかについて記載した「さつまいもスマート農業活用マニュアル」をコンソーシアム及び協力団体に提供してその普及を図る。
  • スマート農機本来の導入効果が十分に発現できる様、引き続き改良・改善を図るべく実証農家により継続的なデータの入力を行い、「人農地プラン」及び「農地中間管理事業」等を活用して農地の集積・集約化を通じた規模拡大を図り、革新的なさつまいも生産経営(大規模・超省力化経営)を目指す。
問い合わせ先

鹿児島きもつき農業協同組合

E-mail:

関連リンク
キーワード

トラクタ、ドローン、リモートセンシング、栽培環境センシング、生育・収量等の予測システム、病害虫発生予測システム、営農管理システム、栽培管理システム、畑作、デンプン、でん粉、バックオフィス業務、リモセン、こないしん、定点カメラ、定点観測、微気象、土壌センサ、育苗、苗床、ロボトラ、挿苗機、基腐れ病、基腐病、さつまいも、サツマイモ、甘藷