水2H08:竹ノ原農園ほか【熊本・山都町】

実証課題名
スマート農業を導入した国際水準の有機農業の実践による中山間地域と棚田の活性化モデルの構築
経営概要
12.0ha(水稲10.5ha、さといも1.5ha)
実証面積 12.0ha(水稲10.5ha、さといも1.5ha)

導入技

①有機農業の見える化(BLOF営農システム)、②ドローン(追肥・センシング)、③鳥獣害対策(スマートトラップ)、④ラジコン草刈機、⑤棚田の水管理システム、⑥直進アシストトラクタ

  • スマート農業を導入することで、棚田において労働時間35%削減・生産者販売価格15%増加、露地野菜において労働時間35%削減・生産者販売価格30%増加を目指す。
  • 農作業の一部を地域コーディネーター(新世代型の農業支援サービスを請け負う)に委託するモデルを構築する。

目標に対する達成状況

  • 各技術の導入で、労働時間は全体で50%削減された。作業ごとの削減率は①液肥散布・防除:88% ②鳥獣害対策:64% ③除草:30% ④水管理:86%となっている。
  • 長雨によるいもち病被害などの影響を受けた慣行栽培と比べ、有機栽培水稲の生産者販売価格が367円/kgで慣行栽培(267円/kg)比の38%増加、有機栽培里芋の生産者販売価格が300円/kg(慣行栽培単価230円/kg比)慣行栽培比30%の増加となっている。

導入技術の効果

水管理作業時間の削減

  • 1カ月当たりの見回り回数及び移動時間のいずれにおいても、最大で86%の削減効果が見られた。

労働時間(全体)の削減率

  • 熊本県農業経営指標の標準作業時間と比べ、作業時間が大幅に削減された。

ドローンによる防除

  • 2021年には、従来の49分/10aから6分/10aと88%の削減を達成。

農業支援サービス

  • 作業委託料金参考額表を作成し、コーディネーターを通じて水稲の病害虫対策としてドローン散布の依頼が増え始めている。
  • 実演会や勉強会実施により、実証に参加していない生産者からもドローンによる追肥、土壌分析の要望などがあっている。

事業終了後の普及のための取組

  • 農業支援サービスをより多くの生産者に利用してもらうために、作業単価を抑える必要がある。そのためには、作業面積・機械の利用回数を増やすことが求められるので、継続してサービスを提供し、周囲の生産者へも認知してもらうとともに、実演会などを実施することで、認知度を高めていく。
問い合わせ先

実証代表 : 熊本県立大学 教授松添直隆

E-mail:

視察等について : (公財)地方経済総合研究所 内藤・宮野

Tel: 096-326-8634

関連リンク
キーワード

トラクタ、ドローン、リモートセンシング、水管理システム、遠隔操作草刈機、栽培環境センシング、営農管理システム、栽培管理システム、有害鳥獣捕獲時遠隔通知、罠、わな、水田作、リモコン草刈機、草刈り機、リモセン、獣害、中山間地、棚田、葉色診断、有機JAS、水稲、イネ、さといも、サトイモ、里芋