果2B01:もりやま園(株)【青森・弘前市】

実証課題名
青森県中南地域におけるりんごスマート農業技術の経営改善効果の実証
経営概要
10.9ha(りんご9.7ha、水稲1.1ha) うち実証面積:りんご9.7ha

導入技

①スマートフォンを利用した「Agrion果樹」、②自律走行無人草刈機(ロボット草刈機)、③画像解析機能付き透過型光センサ選果機

時間当たりの利益を実証技術導入前よりも5%向上

目標に対する達成状況

  • Agrion果樹による作業時間を記録し、品種別の労働生産性を把握。
  • 自律走行無人草刈機で、設定した草丈(6cm)を概ね通年維持。乗用草刈機のオペレーターの作業事故リスクを低減。
  • 光センサ選果機の導入で 1t当たり選果作業時間は、導入前に比べ令和2年産が約44%削減、令和3年産が約45%削減。
  • 時間当たりの利益は、実証技術導入前の20%増で目標を達成。

導入技術の効果

Agrion果樹

  • Agrion果樹による作業時間の記録により、品種別の労働生産性を把握できた。
  • 記録した作業時間から労働生産性が高い品種(採算品種)と低い品種(不採算品種)を算出し、作業管理計画を作成する際、膨大な作業データを手動で集約・分析し、経験則を加味することが必須。
  • 作業管理計画に毎日の実働時間をリアルタイムで反映させることは難しく、生産者の経営手腕に大きく左右されることが判明。

自律走行無人草刈機

  • 設定した草丈(6cm)を概ね通年維持できた。
  • 園地の条件が良かったことから、カタログ値よりも広い約60aの面積を管理できた。
  • 乗用草刈機のオペレーターの作業事故リスクの低減が可能。
  • 株元のつる性雑草の刈り刃への絡まり、野そによるエリアワイヤー断線など、発生しやすいトラブルを把握。

透過型光センサ選果機①

  • 1t当たり選果作業時間は、導入前の令和元年産に比べ、選果機導入後の令和2年産が約44%削減(24.5時間/t→13.7時間/t)、令和3年産が約45%削減(24.5時間/t→13.4時間/t)

透過型光センサ選果機②

  • アルバイトでも選果作業が可能となり選果割合(選果量/収穫量)が倍増(令和元年産:48%→令和2年産:98%、令和3年産:95%)
  • 高単価な生食向け果実が増えたことで、販売額が令和元年産に比べ令和2年産が1.8倍に増加(14,137千円 →24,865千円)、令和3年産が1.6倍に増加(14,137千円 →22,332千円)

事業終了後の普及のための取組

  • 導入コストが大きいことから、規模の大きい法人農家への普及を重点的に考えた呼びかけを行う。
  • メーカーやもりやま園(株)による経営セミナーの開催、書籍(雑誌)やSNS等を通じた情報発信を行う。
問い合わせ先

(地独)青森県産業技術センターりんご研究所

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