(農)元丈の里営農組合(三重県多気町) 土3E5地
実証課題名
農業インフラの多目的活用による多面的機能発揮と強靭な中山間農業のための技術体系の実証
経営概要
28ha(麦・大豆8ha、水稲20ha) 実証面積:麦・大豆7.6ha
導入技術
①情報通信ネットワーク(自営光回線、WiFi、LPWA、SIM等)②IoT水位計、③ネットワークカメラ、④雨量計、 ⑤Webビューアーサイト(スマ農ネット)、⑥IoT罠監視(みまわローラ)、⑦シカ用獣害マイクロフォン
目標
- 1.情報通信ネットワークのランニングコストの20%削減、水路巡回労力を20% 削減
- 2.用水配分を適正配分の±20%の範囲内で運用し、水配分に関するクレームを50%削減
- 3.洪水緩和機能を20%向上し、かつ湛水被害を30%削減
- 4.獣害対策の監視時間を50%削減し、獣害被害額40%削減
- 5.実証経営体の純収益を5%増額する
目標に対する達成状況
- 1).3種類のIoT機器利用に要するランニングコストを28%削減し目標達成 /毎朝の用水路画像のLINE通知により効率的な巡回をその都度立案でき、幹線水路の巡回労力を49%削減し目標達成。
- 2).スマ農ネットを活用し適正水配分を±20%内で運用し目標達成/スマ農ネットとため池水位監視システムによりクレーム50%削減は未達であったが、対応困難度は35%削減できた。
- 3).鳴谷ゲートの遠隔監視・操作化(お助け門)、ため池のリアルタイム監視により洪水緩和機能が31%向上し目標達成 /同設備に対し実証期間中に発生した大雨を元にシミュレーションを行い湛水被害を73%削減できることを実証し目標達成。
- 4).みまわローラ、ハイクカムにより監視時間の削減は47%と目標未達だが、巡回労力の大きな削減を実証/被害額は実証前から72%減少し目標達成。
- 5).マイクロフォン(シカ用)を駆使した対策により純収益は実証前から倍増し目標達成。
導入技術の効果
事業終了後の普及のための取組
- 情報通信ネットワークを構築し、画像、水位、雨量等各種情報を一元化した"スマ農ネット"は幹線水路の監視巡回労力の軽減、適性水配分の実現を図るほかに夜間、荒天時の監視員の安全確保、 水路沿いを散策する高齢者の見守り等の副次効果も実証できたことから、自治体が中山間地域 に情報インフラを整備する際の参考事例として示し普及に努める。
- 獣害対策は導入費用と被害削減額を明示し、普及に努める。
- このような普及活動に加えて、( 一社) ふるさと屋の視察メニューに『スマ農:強靭な地域農業』を加え普及を行う。
問い合わせ先
三重大学大学院生物資源学研究科 教授 岡島賢治
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