品種詳細

「YCRふゆいろ」は最高レベルの根こぶ病抵抗性を有するキャベツF₁品種です。球の肥大性は良好で、球形は平玉となり、家庭消費用、加工・業務用ともに利用できます。

主要特性

• 「YCRふゆいろ」は、3座の根こぶ病抵抗性QTLsのうち最も寄与率の高い1座をホモに有する細胞質雄性不稔系統と、DNAマーカー選抜により3座を集積した花粉親系統を両親としたF₁品種です。
• .「YCRふゆいろ」は市販の根こぶ病抵抗性品種の中で最も強い抵抗性を示す「YCR理念」に比べ同程度～やや強い抵抗性を、「YCRこんごう」や「YCRげっこう」に比べ強い抵抗性を示します(図1、図2)。
• .「YCRふゆいろ」の草丈および株の幅は「YCR理念」よりも大きく、「松波」よりコンパクトです。球の肥大性および収量性は「松波」や「YCR理念」よりも優れます。球形は寒玉キャベツらしい平玉となり、「松波」よりも扁平です(表1、図3)。球表面のアントシアニン着色は少なく、球内部のチップバーン等の生理障害の発生はほとんど見られません。

図2 根こぶ病汚染圃場における「YCRふゆいろ」の地下部

図3 「YCRふゆいろ」および対照品種「松波」の収穫物

活用点・留意点

• 「YCRふゆいろ」は、夏まき冬どり作型に適し、家庭消費用、加工・業務用ともに利用できます。
• 「YCRふゆいろ」は、最高レベルの根こぶ病抵抗性を有していますが、多様な根こぶ病菌の中には本品種を加害する菌株が存在する可能性もあることから、耕種的防除を含む総合防除が推奨されます。
• 「YCRふゆいろ」は、萎黄病に抵抗性を有します。
• 収穫期はやや晩生で、「松波」と同程度です。結球期が低温の場合には、より結球の早い品種に比べ収量性が劣る場合があります。