品種詳細
甘秋(かんしゅう)
「甘秋」は、「新秋」に「18-4(富有×興津 16 号)」を交雑して育成した早生の完全甘ガキです。果実成熟期は「伊豆」と「松本早生富有」の中間で、食味は良好です。汚損果の発生が多いです。
主要特性
- 果実の甘渋性は完全甘ガキです。果実成熟期は早生で、「伊豆」と「松本早生富有」の中間の時期に成熟します。果形は扁平で、果実重は「松本早生富有」よりやや小さく、育成地(広島県安芸津町)では平均 248g でした。果皮色はあまり赤くなく、育成地ではカラーチャート 5.8 程度です。適熟果の肉質は緻密で、果汁の多さは中程度です。糖度が高く、「伊豆」より 2.5 ゚Brix、「松本早生富有」より 1.5 ゚Brix 高く、赤道部で 18 ゚Brix 程度であり、食味は良好です。果頂部は果底部よりやや早く成熟する傾向があります。日持ち性は優れ、育成地では常温で 17 日程度日持ちします。へたすき果、果頂裂果はほとんど発生しませんが、汚損果の発生が多く、雲形状汚損が多いです。
- 樹勢は中程度で、樹姿は開張と直立の中間です。雌花の着生は多く、雌花の開花期は「松本早生富有」とほぼ同時期です。雄花は少し着生します。単為結果力が高く、種子形成力もかなり高いので、生理落果は少なく、結実は安定しています。果実はチャノキイロアザミウマの被害を少し受けます。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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14906 (2002年8月 1日) |
2002年12月16日 | 12980 (2005年3月23日) |
25年 (満了日:2030年3月23日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
新秋×18-4{富有×興津16号(晩御所×花御所)} | カキ安芸津14号 |
栽培適地
完全甘ガキであり、夏秋期の気温の高い地域に適応し、一般に「松本早生富有」、「富有」、「次郎」、「前川次郎」の栽培地域で栽培できます。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:かき農林10号
登録年月日:2002年9月3日
育成担当者
山田昌彦、山根弘康、佐藤明彦、吉永勝一、平川信之、岩波 宏、小澤俊治、角谷真奈美、三谷宣仁、吉岡美加乃、中島育子
発表論文
果樹研究所研究報告5号, p.95-106(2006-03) : カキ新品種'甘秋'