品種詳細
八秋(はっしゅう)
カキ品種「八秋」は、農研機構果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点(広島県東広島市安芸津町)に植栽中の「平核無」から発見された八倍体でわい性の生長を示す枝変わりです(図1、2)。「平核無」に比べて花、葉および果実は小さく、新梢と節間も短いですが、種子形成力があり、種子の発芽能力が高いです。
主要特性
- 「平核無」および「中谷早生」と比較して、花重、葉面積、へたの幅および果実重は小さいです(表1)。「平核無」と比較して休眠枝長および節間長は短いですが、「中谷早生」とは同程度です。育成地(広島県東広島市安芸津町)において、成熟期は「中谷早生」より遅いですが、「平核無」と同じ10月下旬です。甘渋性は不完全渋柿で(図3)、「平核無」、「刀根早生」と同様にCTSDによって容易に脱渋できます。
- 「平核無」および「中谷早生」の種子数は、ほぼ無であるのに対して、3個程度の種子を形成します(表1、図3)
- 種子の大きさは極小であり、不完全種子も形成されますが、完全種子(0.1 g以上)の発芽能力は高いです(発芽率:86.7 %)。
- 世界で初めて発見されたカキの八倍体です(図4)。
図1 「八秋」の果実
図2 結果枝、葉および果実の比較
図3 果実の比較「平核無」と「八秋」
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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28378 (2013年7月23日) |
2013年11月22日 | 23900 (2015年3月 3日) |
30年 (満了日:2045年3月 3日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
平核無のわい性の枝変わりによる増殖 |
栽培適地
「平核無」の栽培地域での栽培が適しています。
育成担当者
薬師寺博、山﨑安津、小林省藏、東暁史、杉浦裕義、佐藤明彦