品種詳細

豊楽台(ほうらくだい)

わい化効果があり、高生産性で省力栽培が期待できるカキのわい性台木品種です。主要品種である「富有」のわい性台木として活用できます。

主要特性

  • 無着果・無せん定で管理された「豊楽台」台「富有」樹は、対照(「アオガキ」実生台)より樹高が低く、その樹冠容積は「アオガキ」実生台「富有」樹の約5割になりました。(図1、表1)。変則主幹形仕立て栽培樹の場合、「豊楽台」台樹は「アオガキ」実生台樹に比較して、樹高、樹冠容積および主幹断面積は有意に小さいです(表1)。
  • 「豊楽台」台「富有」樹の果実重、糖度、着色および果肉硬度は、「アオガキ」実生台樹と同様で、有意な差はありませんでした。収量は「豊楽台」台樹および「アオガキ」実生台樹の間に有意な差はないですが、「豊楽台」台樹の主幹断面積および樹冠容積当たりの収量は、「アオガキ」実生台樹より高いです。
  • 「豊楽台」は、6月上中旬に新梢あるいは不定芽由来の徒長枝を1枚あるいは2枚着葉した挿し穂の切り口にIBA3000ppmを数秒間浸漬処理し、ミスト下で栽培することで容易に発根します。挿し穂の葉数を2葉とすると、発根率は8割で根量は多いです。組織培養(1/2N MS培地、ゼアチン5mM)によって増殖できます。
  図1   「豊楽台」台木利用による「富有」の生育状況(無せん定・無着果管理樹)
   図1   「豊楽台」台木利用による「富有」の生育状況(無せん定・無着果管理樹)

 

   表1   慣行栽培管理樹が「富有」の生育に及ぼす影響(8年性樹)

   表1   慣行栽培管理樹が「富有」の生育に及ぼす影響(8年性樹)

 

 

豊楽台_果実
果実

豊楽台_結実状況
結実状況

豊楽台_樹姿
樹姿
(左:「豊楽台」 「富有」樹、右:アオガキ実生台 「富有」)

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
30555
(2015年10月22日)
2016年1月28日 25355
(2016年8月 9日)
30年
(満了日:2046年8月 9日)
交配組み合わせ 旧系統名

栽培適地

カキ生産地で広く栽培が可能と考えられます。

育成担当者

薬師寺博・山﨑安津・東暁史・杉浦裕義・児下佳子・森永邦久・朝倉利員・土田靖久・河野良洋(島根農技センター退職)・倉橋孝夫(島根農技センター)・持田圭介(島根農技センター)・高橋洋靖(島根農技センター)・神田巳樹夫(島根農技センター)・大畑和也(島根農技センター)