品種詳細
たまみ
「清見」に「ウイルキング」を交雑して育成した成熟期が1月中旬頃のミカンです。甘味が強く、オレンジ様の強い香りがあり、食味良好で、有核ですが、剥皮が容易で、じょうのう膜が薄く食べやすい品種です。
主要特性
- 1980年(昭和55年)に果樹試験場興津支場(現 果樹研究所カンキツ研究部興津)において「清見」に「ウイルキング」を交雑して育成した系統です。1998年(平成10年)4月よりカンキツ第8回系統適応性・特性検定試験に「カンキツ興津51号」として供試し、育成地を含む30試験地において地域適応性の検討を行ってきました。2003年(平成15年)8月の平成15年度系統適応性・特性検定試験成績検討会において新品種候補として適当であるとの結論を得ました。
- 果実は平均 150g位、果形は扁球形で果形指数 130位です。果頂部はやや凹んでいますが、果梗部は平らです。果皮は橙色で、果面はやや滑らか。果皮の着色開始は11月上旬で、完全着色は12月上旬となっています。果皮の厚さは2mm内外で、薄く柔らかいので剥皮は容易です。浮き皮はほとんど発生せず、発生しても軽度です。果肉は橙色で柔らかく、果汁量は多いのが特徴です。じょうのう膜は薄く柔らかいので食べやすく、す上がりの発生はほとんどありません。果汁の糖度は12%内外で高く、酸含量は1月中旬には 1.0%程度になります。オレンジ様の強い香気があり食味は良好です。成熟期は1月中旬頃で、含核数は平均7粒程度、種子は単胚性となっています。
- 樹勢は中庸で、樹姿は直立性と開張性の中間です。枝梢は細く密生します。とげは普通ありませんが、若木ではまれに発生することがあります。樹齢が進み樹勢が落ち着けば発生しなくなると考えられます。葉は小さく、細長く、花は小さく、単生します。花粉は少ないですが、稔性率は高く、90%程度です。結実性は良好ですが、隔年結果性がやや高く、そうか病、かいよう病に対してはかなり強い抵抗性があります。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生は軽度です。
「たまみ」の果実
「たまみ」の結実状況
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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17324 (2004年8月11日) |
2005年6月23日 | 14543 (2006年12月14日) |
30年 (満了日:2036年12月14日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
清見×ウイルキング(きよみ×ウイルキング) | カンキツ興津51号 |
栽培適地
-
わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適します。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:みかん農林15号
登録年月日:2004年9月30日
育成担当者
吉田俊雄、根角博久、山田彬雄、伊藤祐司、上野 勇、日高哲志、吉岡照高、野々村睦子、七條寅之助、冨永茂人、中嶋直子、木原武士、國賀 武、村瀬昭治、瀧下文孝