品種詳細

麗紅

清見・アンコールNo.5に「マーコット」を交雑して育成した中生のタンゴールです。外観は赤橙色、平滑で美麗、芳香があり、糖度が高く良食味な品種です。

主要特性

  • 1984年(昭和 59 年)に果樹試験場口之津支場(現果樹研究所カンキツ研究部(口之津)において、清見・アンコールNo.5に「マーコット」を交雑して育成した系統です。1986年(昭和 61 年)にウンシュウミカンに高接ぎ、1989年(平成元年)に初結実し、一次選抜しました。1996年(平成8年)4月よりカンキツ第8回系統適応性・特性検定試験を実施し、新品種候補にふさわしいとの合意が得られました。
  • 果実は扁円形で平均約 210g です。果皮は淡赤橙色~濃橙色、厚さ約 2.3mm 内外で薄いですが、硬さは中程度で、剥皮はやや容易です。果面は平滑で、11月下旬から12月中旬に完全着色し、退色しにくくなっています。浮皮はほとんど発生しません。果肉は濃橙色で、肉質は柔らかく、果汁量は多くなっています。じょうのう膜は比較的薄く食べやすく、果汁の糖度は約 12% で高く、減酸は比較的容易で、オレンジ、マーコット香の混合したような芳香があり食味は良好です。成熟期は1月中下旬で、イヨカン、「清見」より早熟で、雄性不稔性を有し、花粉が無いので他品種の花粉がかからなければ無核です。
  • 樹勢は中庸で、樹姿は直立性と開張性の中間です。枝梢は長く、太さは中位で、密生します。とげは発生しますが、短く、少なくなってきており、樹勢が落ち着けば発生しなくなると考えられます。結実性は比較的良好です。そうか病には強いが、かいよう病に対してはやや罹病性です。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生程度は多くなっています。

表1 カンキツ口之津32号の各試験地における特性

図1 「カンキツ口之津32号」の果実

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
15934
(2003年8月11日)
2004年4月 7日 13542
(2005年12月 7日)
30年
(満了日:2035年12月 7日)
交配組み合わせ 旧系統名
(清見×アンコール)-No.5×マーコット カンキツ口之津32号

栽培適地

    • 農林認定品種

    • 登録番号 :タンゴール農林9号
      登録年月日:2004年1月26日

    • 育成担当者

      松本亮司、山本雅史、國賀 武、奥代直巳、吉岡照高、吉永勝一、山田彬雄、三谷宣仁、浅田謙介、池宮秀和、内原 茂、村田広野、生山 巖