品種詳細
かんきつ中間母本農5号
「リー」と「無核紀州」の雑種です。「リー」に似て減酸が早く品質良好で剥皮性も良く、「無核紀州」より大果です。健全花粉を持ちますが、雌性不稔で無核です。「無核紀州」由来の雌性不稔性は遺伝しますので、無核品種育成の優良中間母本です。
主要特性
- 花粉は多く、開やくも容易です。花粉稔性率は約95%と高く、発芽率も約87%と高いです。
- ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツの混合花粉を受粉しても健全な種子は全く入りません。また、自然受粉果でも健全な種子は認められず、「無核紀州」と同様強い雌性不稔性を示します。
- 果形は扁球形で果形指数は118、果実の大きさは約50gです。果皮は橙色で果面はやや滑らかで、果皮の厚さは約1.8mmで、剥皮は容易です。じょうのうの硬さは中程度、さじょうは濃橙色で短くて小さく、柔軟多汁です。苦味はなく、「無核紀州」と比べ大果で減酸も早いです。また、浮き皮にもなりにくいです。「リー」と比べ、やや小果ですが、無核であることや、多汁であることなど優れた特性を持っています。
果実
結実状況
花
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
(1996年4月 2日) |
1999年3月12日 | 7508 (1999年11月25日) |
25年 (満了日:2024年11月25日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
リー×無核紀州 |
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:かんきつ中間母本農5号
登録年月日:1996年8月21日
育成担当者
吉田俊雄、根角博久、吉岡照高、伊藤祐司、上野 勇、山田彬雄
発表論文
果樹研究所研究報告 4号, p.47-52(2005-03) : 無核性と早熟性の品種育成に有用な育種素材'かんきつ中間母本農5号'
園芸学会雑誌 66巻(別1), p.108-109(1997-03) : 無核性と早熟性の付与に有効な'かんきつ中間母本農5号