品種詳細
シャインマスカット
「ブドウ安芸津21号」(「スチューベン」×「マスカット・オブ・アレキサンドリア」)に「白南」を交雑して育成した大粒で食味良好な二倍体のブドウです。果皮色は黄緑色で、肉質が崩壊性で硬く、香気はマスカット香です。
主要特性
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「巨峰」とほぼ同時期に成熟する黄緑色のブドウです。黒とう病には弱いですが、べと病に一定の抵抗性があり、晩腐病抵抗性は強いです。耐寒性は「巨峰」なみと評価されています。樹勢は強く、「巨峰」より収量性が高いです。
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果粒重は栽培方法により変動しますが、13g程度に栽培できます。かみ切りやすくて(崩壊性)、硬い肉質であり、糖度は高く 18% 以上になります。酸含量が 0.3~0.4g/100ml と少なく、香気はマスカット香です。種なし栽培では、ややはく皮しにくいですが、果皮が厚くない上に渋みがないため、皮ごと食べられます。「巨峰」と同様、一般に裂果しません。「巨峰」より脱粒しにくく、日持ちが長いです。
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開花前にストレプトマイシン200ppmを散布し、満開時および満開10~15日後にジベレリン25ppmの花房(果房)浸漬処理を行うことにより種なしブドウとして生産できます。花穂の先端4cm程度を用います。着粒安定には、1回目のジベレリン処理時にフルメット液剤を加用することが有効です。
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有核栽培では、果粒重は 10g 程度です(表1)。
図1 「シャインマスカット」の果実(無核栽培)
図2 「シャインマスカット」の結実状況
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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15936 (2003年8月11日) |
2004年2月 3日 | 13891 (2006年3月 9日) |
30年 (満了日:2036年3月 9日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
ブドウ安芸津21号×白南 (ぶどうあきつ21ごう×はくなん) なお、ブドウ安芸津21号はスチューベン×マスカットオブアレキサンドリアの交雑実生から選抜された系統 |
ブドウ安芸津23号(ぶどうあきつ23ごう) |
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:ぶどう農林21号
登録年月日:2003年9月5日
育成担当者
山田昌彦、佐藤明彦、山根弘康、平川信之、岩波 宏、吉永勝一、小澤俊治、三谷宣仁、白石美樹夫、吉岡美加乃、中島育子、中野正明、中畝良二
発表論文
果樹研究所研究報告 7号, p.21-38(2008-04) : ブドウ新品種「シャインマスカット」