品種詳細
もちづき
白肉の缶詰用のモモ品種です。果肉はやや硬く、追熟しても硬さを保つので日持ち性は極めて良好です。缶詰にした場合、なめらかで緻密な舌触りとなり、色の濁りのないきれいな製品ができます。果皮や果肉内に赤い着色が全く生じない特異なタイプのモモです。
主要特性
- 樹勢は強く、樹姿はやや直立し、細く長い新梢が多く発生し、結果枝はやや下垂します。花芽の着生は多く、生理的落果は比較的少ない品種です。
- 開花期、落葉期は「あかつき」より数日遅く、収穫期も「あかつき」より約1~2週間遅れます。自家結実性で、裂果の発生は見られず、核割れ果の発生も少なく、収量は「あかつき」と同程度です。
- 果実は200 g程度、円形で玉揃いは比較的良好です。果皮は乳白色で果面の着色は全く見られず、果肉内及び核周囲に紅色素の着生が全くないのが大きな特徴です。
- 果肉はやや黄色みを帯びた乳白色で、やや硬め、やや密、肉質は半不溶質、核は粘核です。
- 糖度は12~15%前後で「あかつき」と同程度かやや低く、酸味はpH4.5~5.0程度と低いです。
- 缶詰製品としては果肉の色調が鮮明で肉が締まり、外観食味とも良好です。香気はやや少ないです。
図1 「もちづき」の果実
図2 「もちづき」の結実状況
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
9769 (1997年4月11日) |
1999年3月18日 | 8566 (2000年12月22日) |
25年 (満了日:2025年12月22日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
153-5×139-28 | モモ筑波117号 |
栽培適地
缶詰用の品種であり、これまで「大久保」の栽培の多かった東北地方等に適します。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:もも農林22号
登録年月日:1997年8月19日
育成担当者
山口正己、京谷英寿、西村幸一、中村ゆり、土師 岳、田中敬一、小園照雄、三宅正則、吉田雅夫、石川祐子、木原武士、八重垣英明、朝倉利員、福田博之、鈴木勝征
発表論文
果樹試験場報告 35号, p.33-45(2001-03): 白肉缶詰用モモ新品種'もちづき'