品種詳細

ひめまるこ

モモの極早生には満開後70日頃(関東では6月中旬)に収穫できる白肉品種「ちよひめ」、「はなよめ」がありますが、モモの生産、消費の拡大のため、より収穫期の早い品種が求められています。「ひめまるこ」はこれらの品種より9日程度早く収穫できます。果実は170g程度とやや小ぶりですが、糖度は15%、酸味は少なく極早生品種としては食味良好です。モモの露地栽培における収穫期を早める白肉品種として、特に、「ちよひめ」や「はなよめ」の栽培の多い地域での普及が期待されます。

主要特性

  • 「紅国見」に「ひめこなつ」を交雑させて「ひめまるこ」を育成しました(写真1) 。
  • 成熟期は育成地(茨城県つくば市)では6月上旬頃で、「ちよひめ」より9日程度早く収穫できます(表1)。
  • 果実の大きさは170 g程度で「ちよひめ」より小玉ですが「ひめこなつ」より大きくなります。糖度は15%程度と「ひめこなつ」や「ちよひめ」より高く、酸度はpH 4.9程度と少なく、極早生品種としては食味良好です(表2)。果肉は白色です(写真2)。
  • 花粉を有し、結実良好です(表1)。
  • 果皮には果点の発生により果面の荒れが認められますが、裂果の発生は少なく着色も良好であるので無袋栽培が可能です(写真1、2)。
  • 核は粘核で、「ひめこなつ」と同様に核割れが多く発生します。
  • 品種名の由来は、やや小さく、かわいらしいモモであることに因みます。
写真1 「ひめまるこ」の結実状況
写真2 「ひめまるこ」の果実
表1 「ひめまるこ」の樹性
表2 「ひめまるこ」の果実特性
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
33921
(2019年5月17日)
2019年8月 7日 28555
(2021年8月 5日)
30年
(満了日:2051年8月 5日)
交配組み合わせ 旧系統名
「紅国見」×「ひめこなつ」 モモ筑波126号

主要特性

「ひめまるこ」はモモの露地栽培における収穫期を早める白肉品種として普及が期待されます。特に「ちよひめ」や「はなよめ」の栽培の多い地域での普及が期待されます。

育成担当者

八重垣英明、末貞祐子、山口正己、澤村豊、土師岳、安達栄介、山根崇嘉、鈴木勝征、内田誠

発表論文