品種詳細

秋麗(しゅうれい)

ニホンナシ品種「秋麗」は、中生の青ナシ品種です。好ましい風味を有し、肉質ち密で高糖度であり良食味です。栽培容易で収穫前落果も少ないです。

主要特性

  • 樹勢は中で枝梢の発生は多いです。腋花芽の着生は多く、短果枝の維持も容易です。開花期は4月20日頃で「幸水」とほぼ同時期です。育成地(茨城県つくば市)での成熟期は9月上旬頃で「秀玉」とほぼ同時期に収穫され、収穫前落果の発生は「秀玉」に比べて少ないです。黒斑病には抵抗性で、黒星病やその他の病害虫に対しては慣行防除で対応できます。
  • 果形は扁円形で完熟果の果皮色は黄緑色です。有袋果の外観は「二十世紀」と同様に美麗ですが、無袋栽培では中程度のさびを果面全体に生じます。果実重は 350g 程度で「秀玉」より小さく、果肉硬度は 4.3lbs.程度で「秀玉」よりやや軟らかく、肉質はち密で果汁も多いです。果汁糖度は 13% 程度で「秀玉」よりやや高く、果汁の pH は 5.1前後で「秀玉」と同様に食味上はほとんど酸味が感じられません。好ましい風味を有し食味は優れています。心腐れの発生はほとんどみられませんが、みつ症が発生することがあります。果実の日持ち性は 25°C で 10 日前後で「秀玉」と同程度です。

表1 「秋麗」の特性

 

図1 「秋麗」の結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
12693
(2000年8月 8日)
2001年3月13日 11119
(2003年3月17日)
25年
(満了日:2028年3月17日)
交配組み合わせ 旧系統名
幸水×筑水 ナシ筑波46号

栽培適地

ナシ栽培地帯の全域で栽培できます。 

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:なし農林21 号

登録年月日:2000年10月25日

育成担当者

壽 和夫、佐藤義彦、齋藤寿広、阿部和幸、町田 裕、栗原昭夫、寺井理治、小園照雄、梶浦一郎、正田守幸、鈴木勝征、緒方達志、木原武士、西端豊英、増田亮一、樫村芳記、福田博之

発表論文

果樹研究所研究報告3号, p.31-40(2004-03) : ニホンナシ新品種'秋麗'