品種詳細

サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「To85」(ティーオーハチジュウゴ)は、極早生のフリント種で、初期生育とすす紋病抵抗性に優れ、組合せ能力が高く、一代雑種品種の親系統として利用できる。

主要特性

• 早晩性は"極早生"に属する。
• 初期生育は"極良"、稈長はやや長いが着雌穂高は低く、稈径はやや太い。雌穂は円筒型で粒列数は平均8.2列、子実は黄褐色で丸形である。
• すす紋病抵抗性は"中"で極早生系統としては強く、ごま葉枯病抵抗性は"極弱"、黒穂病抵抗性は"やや弱"で、耐倒伏性は"中"である。
• 採種性は、実収量で29.8kg/aとやや低いが、実用的な水準にある。花粉飛散程度は"極良"である。
• 組合せ能力は高い。本系統を片親とする単交雑F₁系統「ぱぴりか(北交62号)」は、すす紋病抵抗性が強く、多収で乾雌穂重割合が高い。

育成の経過

「To15×To31」(北方型フリント)を母材とし、低温伸長性、病害抵抗性、耐倒伏性、雌穂特性などについての選抜と自殖により育成した自殖系統である。