平成28年熊本地震農業被害からの復旧・復興のための参考技術情報

省力的な飼料用トウモロコシの耕うん同時播種技術

  • 平成28年熊本地震の被害を受けた畜産農家は、復興作業を優先するために今後もしばらくは十分な時間が確保できず外部組織等に飼料生産を委託することが考えられます。本資料では、作業受託者が飼料用トウモロコシを省力的に作付けするための耕うん同時播種技術について解説します。
  • 耕うん同時播種技術は、圃場の耕うんや整地、種まきなどを1工程で実施できるので、飼料用トウモロコシの栽培作業を大幅に省力化できます。
  • 前作に、トウモロコシやイタリアンライグラスなど単年性の作物を栽培している場合であれば、190kg/a程度の収量は維持しつつ、飼料用トウモロコシ栽培にかかる耕うん施肥播種作業時間を40%程度に削減することが可能です。また、本技術は、飼料用トウモロコシと牧草等の二毛作において、春先に生じる牧草等の収穫作業と飼料用トウモロコシの播種作業の集中化を解消する効果も得られます。
  • トラクタは130馬力程度と大型機種での作業ですが、本技術で使用する耕うん同時は種機は、市販の作業機(播種ユニット+縦軸型ハロー)を組み合わせて製作が可能で、その費用は550万円程度です。機械の入手には時間がかかる場合があることに留意が必要です。

図1 参考文献
1)森田ら(2011)日草誌57(3):136-141.
2)住田ら (2015) 日草誌61(1):12-16.

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