平成28年熊本地震農業被害からの復旧・復興のための参考技術情報
平成28年熊本地震の農業関係被害につきましては、農地における地割れの発生や農地法面の崩壊、水路の破壊、また、農業施設や畜舎の損壊などがおき、農作物等の損傷や家畜の斃死など多くの被害が発生しました。
被災地域においては、作目の変更や農作業の遅れに対する早急な対応策や、農業施設や農地の復旧には一定の時間を要し、長期的な取組も必要となることが想定されます。
そこで、農研機構では、農林水産省と協力して、地震による農業被害からの復旧にあたって参考となる技術面の情報について、これまでの研究成果の中から抽出し、参考技術情報として整理しました。これらの技術情報が、熊本地震における農業被害からの復旧・復興に、少しでもお役に立てば幸いです。
熊本地震の農業被災現場において活用できる参考技術情報をご紹介します。
1.農地・施設の復旧・整備技術情報
- 省力施工が可能な基礎杭を利用した園芸用ハウス補強技術
- 傾斜地カンキツ園における マルチシートを利用した簡易排水路とその設計法
- リモートセンシングデータを用いた被害や地表面状態の把握
- 水田の復旧作業に寄与する水稲作付状況のマッピング技術
2.作物(水稲、麦類、大豆、果樹等)技術情報
- 水稲の晩植栽培
- 排水不良圃場での大豆の出芽不良を低減する技術
- 湿害による出芽不良を解消する 作溝・畦成形ユニット
- 麦・大豆栽培等における高速で省力的な播種技術
- 「みはや」の早期成園化と高品質果実安定生産技術
3.畜産・飼料作関係の技術情報
- 太陽光発電を活用した家畜飲水の自動供給システム
- 寒冷紗を用いた安価なひ陰による暑熱対策
- 冬季の繁殖牛の屋外飼養に対応する ススキ優占草地の利用
- 夏季に栽培できる飼料作物の播種晩限
- 飼料用トウモロコシの播種遅れに関する留意点
- 晩播・夏播きにも適する飼料用トウモロコシ「スノーデントおとは」
- 省力的な飼料用トウモロコシの耕うん同時播種技術
- 省力的な飼料用トウモロコシの不耕起栽培技術
- 雑草に強く管理が容易で作付けしやすいスーダングラスの栽培技術
- 乾燥調製が不要な籾米サイレージ調製技術
- 堆肥舎が使用できない場合の堆肥の一時保管方法
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