平成28年熊本地震農業被害からの復旧・復興のための参考技術情報

省力的な飼料用トウモロコシの不耕起栽培技術

  • 平成28年熊本地震の被害を受けた畜産農家は、復興作業を優先するために今後もしばらくは十分な時間が確保できず、外部組織等に飼料生産を委託することが考えられます。本資料では、作業受託者が飼料用トウモロコシを省力的に作付けするための不耕起栽培技術について解説します。
  • 不耕起栽培は圃場を耕さずに栽培する方法で、前作の作物残さが少ない場合に、飼料用トウモロコシの播種作業を省力化できます。飼料用トウモロコシの二期作では、前作の収穫作業と後作の播種作業による作業の集中化を解消する効果も得られます。
  • 不耕起播種機による播種および施肥前には、非選択性の茎葉処理剤を使用し、圃場に生育している雑草等を防除します。飼料用トウモロコシの生育初期に選択性の茎葉処理剤を利用すれば、播種後に出芽した雑草もほぼ防除できます。
  • 飼料用トウモロコシの不耕起施肥播種機は市販されています。最も小型の機種(2条播き)の価格は170万円程度で(2015年1月時点)、32PS以上のトラクタで使用できます。機械の入手には時間がかかる場合があることに留意が必要です。

図1 参考文献
1)加藤ら(2007)日本草地学会九州支部会報37(2):1-4.
2)加藤ら(2011)日本草地学会誌 57:172-175.

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