2020年12月8日(火曜日)、 NARO-WUR国際シンポジウム「未来の農業・食品産業を創る国際研究戦略」がオンライン開催されました。
*WUR:ワーヘニンゲン大学(オランダ)
本オンラインシンポジウムは、農業・食品産業における破壊的イノベーション創出の起爆剤となる、日本発の従来とは全く異なる大胆な発想に基づく挑戦的な研究戦略の提案と、畜産分野における農畜産物の生産性向上と地球環境保全とを両立させるイノベーション研究においてのNARO-WURの連携強化の推進のために開催されました。参加者は25カ国から414人に及びました。
開会式では、オランダフォセナー農業・自然・食品品質省特使およびWUR総長フレスコ教授からの開会挨拶に続き、基調講演として、NAROの久間理事長から「農業および食品産業の成長に向けたNAROの研究開発戦略」、WUR研究部門長ヘンドリクス教授より「WURの研究戦略」について発表されました。
第1部「地球規模での食糧増産と環境保全の両立-2050年のあるべき姿に向けた破壊的イノベーションの創出」ではNAROから5件の講演があり、ムーンショット型研究開発事業で採択された課題を核として、NAROの挑戦と展望について世界に向けて発信されました。
第2部「畜産研究の展開方向-畜産分野における生産性向上と環境保全の両立に向けた持続的イノベーションの創出」では、4つのパラレルセッション(1.昆虫の飼料利用に向けた研究開発、2.家畜排せつ物管理における温室効果ガス削減、3.畜産由来温室効果ガスの削減と家畜の生産性向上、4.スマート酪農と家畜福祉)でWURと農研機構からそれぞれ4つの講演(計8件)があり、最新の研究成果を紹介するとともに、以下の内容が議論されました。
- 家畜福祉・食品ロスに対応する昆虫タンパク質の飼料としての利活用
- 日蘭の畜産と穀物生産者間の資源循環システムの特徴と管理の違いに着目した、家畜の糞尿処理や堆肥ロボットの利用
- 飼料添加物の使用について日蘭で共通する高い関心
- 乳牛の長寿命化による効率的なメタン排出削減
- 家畜福祉を含むスマート酪農におけるセンサー収集データの活用に関連するセクター間での協力体制の必要性
- センサー技術を用いた動物福祉の観点からの研究
https://online.jtbeurope.com/naro-wur-joint-international-symposium-2020
http://www.naro.affrc.go.jp/english/events/laboratory/naro/137487.html

