アジア生産性機構 (APO:アジア太平洋地域の生産性向上に取り組む国際機関で21か国・地域が加盟) が、農業部門における生産性向上とGHG削減の両立を図る「気候変動に対応した農業」プログラムを提案した農研機構をCenter of Excellence(COE)として2023年に認定しました(本COEは、農業分野で初、日本で初)。本年度のAPO-COE「Climate-Smart Agriculture」では、「土壌炭素貯留見える化及びカーボンクレジット方法論」についてタイ国を主要パートナーとしてプロジェクトを展開しています。
2024年10月2日~4日、農研機構つくばキャンパスにて「土壌炭素見える化」に関するワークショップを行いました。10月2日の開講式では久間理事長、APOのインドラ事務局長それぞれが受講者にむけて激励のスピーチをしました(写真1、2)。


参加者は、8か国から16名が来日し、10月1日~2日につくば市で開催されたNARO-JIRCAS-FFTCシンポジウム「水田におけるGHG排出と重金属の同時削減」にも参加しました。
10月3日からは横地NDSCセンター長のワークショップ趣旨説明ののち(写真3)、農環研の長谷川エグゼクティブリサーチャーの司会進行のもと、松浦上級研究員から、RothCモデルや、NAROの「土壌CO2吸収見える化サイト」の基本などを解説しました(写真4)。


その後、ハンズオンセッションを実施し、農研機構のモデルプログラムに、気候や土壌分類、有機物投入量など、自国のパラメーターデータを入力し、出てきた予測データと、それぞれの国の実測データを比較しました(写真5)。2日目には、それぞれの国のRP(リソースパーソン)が成果発表しました(写真6)。1日目はシミュレーションがなかなかうまくいかない国もありましたが、2日目には、すべての国が初期の成果を達成しました。当初は、うまくデータが出力できなかった国の参加者は浮かない表情でしたが、2日目には晴れやかな表情に変化し当初のプログラムを修了しました(写真7)。


今後は、CO2吸収の有力な手段であるバイオ炭の方法論作成についてのワークショップを、来年2月にタイ国バンコック市で開催予定です。
