1. 会議名
第4回NARO食と健康の国際シンポジウム
- 未来を支える食と農のイノベーション: SDGs達成に向けた研究展開 -
NARO 4th International Symposium on Food and Health
"Food and Agriculture Innovations for Sustaining the Future: Research Development toward Achieving the SDGs"
2. 日時
2025(令和7)年 3月24日(月曜日)11時00分~17時45分(日本時間)
3. 場所
ハイブリット開催(配信会場 : 赤坂インターシティコンファレンス)
4. 主催・後援
(主催) 農研機構
(後援) 農林水産省、オランダ王国大使館、在日フランス大使館科学技術部、駐日欧州連合代表部、在日マレーシア大使館 農務部、タイ王国大使館、公益社団法人 日本工学アカデミー
5. 参加者(オンライン)
参加登録者 : 593名(17の国・地域等)
当日参加者 : 446名
アーカイブ配信(4月15日~5月20日) : ユニーク視聴数1009名、視聴回数1264回
※チャンネルごとのユニーク数はIPアドレスで区別。
※視聴数、および視聴回数はPart1~4の合計値。
6. シンポジウムの概要
【開会】
農研機構 久間理事長から、欧州、米国、日本それぞれが「持続可能な食料システム」の構築 に取組んでおり、そのなかで農研機構は農業・食品版Society 5.0の実現を目指して国内外との連携を強化しながら、持続可能な食料システムなどSDGs達成にも貢献するイノベーション創出を推進している、との主催者挨拶があった。
オランダ・ワーゲニンゲン大学研究センター(WUR)のHeimovaara総長からは、農研機構とWURとのパートナーシップのもとで進められている、よりスマートで持続可能な農業・食料システムの開発の取り組みが世界に貢献すると確信している、との挨拶をいただいた。
フランス国立農業・食料・環境研究所(INRAE) のMauguin理事長からは、農研機構とINRAEの研究者が対話しながら、様々な革新的なプロジェクトに共同で取り組めることをうれしく思うとの挨拶をいただいた。
農林水産技術会議事務局の堺田局長からは、新技術を積極的に取り入れ、生物機能を最大限活用するなどの研究開発の加速化が必要であり、グローバルな視点からの議論を深めることが重要だとの挨拶をいただいた。
【基調講演】
東北大学理事・副学長で国連10人委員会委員でもある小谷元子教授から基調講演をいただいた。SDGs達成に向けた科学技術イノベーション(STI)の活用など国連の取り組みとともに、日本での取り組みとしてSociety 5.0の提唱とその実現に向けた研究開発プログラムや事業の状況が、農研機構の取り組みも併せて紹介された。
【セッションⅠ】 「SDGs目標13 (気候変動に具体的な対策を Climate Action)」
(セッションリーダー : 農研機構(農環研)/白戸康人研究領域長)
本セッションでは、気候変動に向けた対策として、穀物生産への影響評価と適応策、バイオ炭による炭素貯留、国際的な取り組みについて紹介され、その推進の方向性について議論が交わされた。
講演者 : 農研機構(農環研)/飯泉仁之直上級研究員、アジア生産性機構/Md Zainuri Juri主席プログラムオフィサー、農研機構(農環研)/山本勝利所長
【セッションⅡ】 「SDGs目標12 (つくる責任、つかう責任 Responsible Consumption and Production)」
(セッションリーダー : 農研機構(植防研)/大藤泰雄所長
本セッションでは、環境に負担をかけない農業生産について、日本の「みどりの食料システム戦略」および欧州の「Farm to Fork 戦略」に基づく研究開発と技術普及に向けた取り組みが紹介され、それら技術の生産者への普及に必要な要件等について議論が交わされた。
講演者 : 農研機構(植防研)/松倉啓一郎上級研究員、農研機構(中農研)/唐澤敏彦グループ長、駐日欧州連合代表部/Gijs Berends科学・イノベーション・デジタル・その他EU政策部 部長、INRAE(フランス)/NicolasMunier-Jolain プロジェクトコーディネーター
【セッションⅢ】 「SDGs目標2 (飢餓をゼロに Zero Hunger)」
(セッションリーダー : 農研機構(本部)/眞岡哲夫総括執行役
本セッションでは、食糧生産性の維持・向上に向け、国際的な病害虫対策および、タンパク質確保のための多収ダイズの開発および精密発酵システム開発について紹介され、それら技術の早期社会実装向けた取り組みやそのための産業界との連携について議論が交わされた。
講演者 : 国際農研/柏毅主任研究員、農研機構(植防研)/眞田幸代研究領域長補佐、農研機構(作物研)/柳澤貴司研究領域長、WUR(オランダ)/MarkSturme シニアサイエンティスト
【閉会】
鈴木理事より、本シンポジウムで紹介された目標や取り組みは、セッションの枠を超えて互いに関連しており、今後も続けて議論していくことで研究の深化と連携につながることを期待する、また、農研機構は将来に向け、強靭で持続可能な食糧生産システムを構築するために研究を推進するとともに、国連携連携に貢献していく、とする言葉で締めくくられた。
