1. 会議名
第5回 NARO食と健康の国際シンポジウム
- 健康と美食 -
NARO 5th International Symposium on Food and Health
"Health and Gastronomy"
2. 日時
2026(令和8)年 2月12日(木曜日) 13時00分~17時30分(日本時間)
3. 場所
イイノホール&カンファレンスセンター
当日は会場参加のみ。アーカイブ動画を3月17日~4月17日の期間限定で配信。
4. 主催・後援
(主催) 農研機構
(後援) 農林水産省、Dijon Métropole、オランダ王国大使館、在日フランス大使館、VITAGORA、公益社団法人 日本工学アカデミー
5. 参加者
参加登録者 : 234名
当日参加者 : 139名(海外3カ国)
6. シンポジウムの概要
【開会・挨拶】
農研機構 久間理事長から、農研機構は食料安全保障や産業競争力強化、生産性と環境保全の両立を目標に先端技術の社会実装を推進しており、特に「食と健康」を重点分野としていることが紹介されるとともに、本シンポジウムを通じて、健康寿命延伸に向けて最新研究を共有し、国際連携とイノベーション創出が進むことを期待している、との主催者挨拶があった。
フランス国立農業・食料・環境研究所(INRAE) のMauguin理事長からは、栄養や嗜好、感覚と健康の関係解明は重要であり、発酵や感覚科学など多様な分野での連携を通じた、新たな共同研究と交流の深化を期待している、との挨拶をいただいた。
オランダ・ワーゲニンゲン大学研究センター(WUR)のHeimovaara総長からは、味覚や技術革新、腸内マイクロバイオーム研究、One Healthの視点を通じ、NAROとの連携のもと、持続可能で健康と喜びを生む食料システムの実現に向けた国際協力に期待している、との挨拶をいただいた。
農林水産技術会議事務局の堺田局長からは、食文化が国の競争力や輸出拡大に寄与している点を強調するとともに、個々人に応じたパーソナライズド食やフードテックの可能性に触れ、異分野・異文化連携による研究や新ビジネス創出に期待する、との挨拶をいただいた。
【基調講演】
Dijon MétropoleのLemanceau副議長からDijon Métropoleでの取り組みについて基調講演をいただいた。ディジョン・メトロポールが推進する地域主導の食のトランジション政策「ProDij」は、①環境、経済、社会、都市と農村の結束という複合的課題に同時に対応するもので、「よりよく食べること」が「よりよく生産すること」を促すという好循環の構築を目的としていること、②また、学校給食、外食、家庭での食を主要な実践領域とし、市民、研究機関、事業者が協働する体系的アプローチにより、健康的で持続可能かつ誰もがアクセス可能な食料システムの実現を目指していること、③さらには、INRAEや大学病院、OPAD、VITAGORAなどとも連携した、対象者を設計プロセスに主体的に関与させる一連の実践的な取り組みを実施していること、が紹介された。
【セッションⅠ】 「食による健康の維持・改善」
(セッションリーダー : 農研機構(食品研) 山本(前田) 万里エグゼクティブリサーチャー
本セッションでは、食品中の栄養素と健康増進物質の効果的な活用、および健康維持・増進のための腸内微生物の利用という二つのテーマについて発表が行われた。前者として、「生物活性のある AGEs(終末糖化産物)」の検出方法の開発とその活用による健康な食の開発、および、和食を中心とした病院食での栄養ケアの取り組みが、また、後者として、腸内細菌叢の役割の解明についての最新の研究と、それに基づく健康を増進する食品開発について紹介され、質疑が交わされた。
講演者 : 農研機構(食品研) 小堀俊郎グループ長/ 東京科学大病院 鳥越純子副部長/ WUR(オランダ) Hauke Smidt教授/ 京都大学 小川順教授
【セッションⅡ】 「美味しさの分析」
(セッションリーダー : 農研機構(食品研) 日下部裕子領域長)
本セッションでは、「美食」について複数の異なった視点からの分析や取り組みが紹介された。基礎味覚科学の視点から、味蕾の概日リズムと味覚感受性について、次に、官能評価と心理学の視点から、おいしさと健康感の消費者認知について、食品開発の視点から、酢を通じておいしさと健康の両立を図る取り組みについて、デジタル技術と未来の食の枠組みの視点から、Digital Food Platform の取り組みについて発表が行われ、質疑が交わされた。
講演者 : 農研機構(食品研) 望月寛子グループ長補佐/ INRAE (フランス) Sophie Nicklaus部長/ (株)Mizkan Holdings 吉本靖東チームリーダー/ 東京科学大学 木村英一郎教授
【閉会】
鈴木理事から、本日のシンポジウムでは食による健康維持・改善に関わる幅広い話題が紹介され、食と健康の未来が大きく広がることを実感した、との総括と、美食と健康の両立を含むwell-beingに向けた研究の輪が広がることへの期待が示され、本日の議論が新たな連携や研究の発展につながり、食・健康・美食の未来をともにつくる契機となることを願う、との言葉で締めくくられた。