北海道農業研究センター

所長室

平成28年度

勝田所長

平成28年4月1日付けで、農研機構北海道農業研究センターの所長を拝命しました。どうぞよろしくお願いいたします。

農研機構、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所および種苗管理センターの4法人は平成28年4月1日に統合し、新たな「国立研究開発法人農研機構」が発足しました。北海道農業研究センターは農研機構のフロントラインとして、北海道地域における生産現場のニーズに直結する先導的研究開発と成果の速やかな普及を図るため、農研機構の専門研究組織である研究部門や重点化研究センターと連携して基盤から応用までの一体的な研究開発を進めるとともに、異分野連携による研究シーズの拡大を図ります。さらに、北海道地域の研究機関や大学などとの連携を強化し、技術開発成果の地域への橋渡し役として、研究開発成果の最大化と速やかな社会実装を目指してまいります。

北海道は、全国の約4分の1を占める耕地面積を有し、日本の食を支えるわが国最大の食料生産基地と位置づけられており、多くの農産物の生産量は全国第1位となっています。農畜産物の国内生産に占める北海道産の割合は、テンサイの100%を筆頭として、小豆94%、バレイショ80%、小麦65%、生乳50%、そば45%、タマネギ、カボチャ、スイートコーンがそれぞれ約50%などとなっており(平成25年度)、農業産出額は昭和59年以降継続して約1兆円で推移しています。また、主業農家が7割を占め、1戸あたり耕地面積23.4ha(平成26年度)は都府県平均の14.6倍で、土地資源を活かした専業的な大規模経営が北海道農業の特徴です。

しかしながら、日本農業が直面している高齢化や人口減少による担い手不足の深刻化は北海道においても同様で、大きな構造変化による転換期を迎えつつある今後10年の間に生産現場が直面する変化に対応して、更なる規模拡大と収益性の向上が両立できる技術が求められています。大規模圃場管理システム、ICTによる新規参入者や非熟練作業者の作業支援技術、収益性の高い農畜産物の導入と安定生産技術、効果的な輪作体系の構築などへのニーズが高まることが想定され、北海道農業研究センターではこれに応える研究開発に総力を挙げて取り組みます。

広大な北海道では、十勝・オホーツクの大規模畑作や根釧の酪農、空知の水田作など、地域によって異なる気象や立地に対応した特色のある農業が展開されています。北海道農業研究センターでは、それぞれの地域や営農形態における将来の変化を先取りした技術シーズの開発に取り組み、先端技術を結集して革新的な生産システムのパッケージを構築し、開発・普及・生産者が連携して生産現場への速やかな実装を図っていくことを目指します。これによって、地域農業の成長産業化を実現し、日本の食料生産基地を支え発展させて行くことが、農研機構の地域農業研究センターが果たすべき、最優先の役割であると考えています。

皆様方におかれましては、これからも引き続き北海道農業研究センターに対するご指導とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

農研機構 北海道農業研究センター

所長 勝田眞澄