北海道農業研究センター

所長室

平成30年度

平成30年4月1日付けで、農研機構北海道農業研究センターの所長を拝命しました。就任にあたり一言ご挨拶させていただきます。

北海道は、全国の1/4の耕地面積を有し、同13%の農業産出額、カロリーベースの自給率221% を誇る日本最大の食料生産基地です。都府県の13倍もの経営面積で専業的な農業経営が展開され、技術的にも日本の農業を先導していると言えます。北海道の農業や関連産業を発展させる上で、技術開発に大きな期待が寄せられており、身の引き締まる思いでおります。

15年ぶり2度目の北海道勤務となりますが、この間、農業経営体の減少や高齢化が年々進み、人口減に伴う国内市場の衰退が眼前に迫るなど、農業を巡る状況は緊迫度を増しています。これまでの経験も踏まえつつ、また新たな気持ちで職務に臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

政府は、我が国の農業を巡るこうした状況の中、強い農林水産業を実現していくため、中長期的なビジョンに基づき、農業・食品の生産・流通に変革をもたらすイノベーションを創出する研究開発、また同時に、農業者、食品事業者のニーズを踏まえた明確な研究目標の下、農業者、企業、大学、研究機関等がチームを組み、社会実装までを視野に入れた技術開発を推進しています。

農研機構は、農業・食品分野で科学技術イノベーションを創出し、国民に安全・安心・高品質な農産物・食料を安定供給すること、農業を強い産業として育成し海外市場で農産物・食料のマーケットシェアを伸ばし、政府の経済成長政策に貢献することを組織の大きな目標として掲げています。

我々北海道農業研究センターは、地域研究センター、専門研究組織、重点化研究センターなどを全国に配置する農研機構の強みを生かし、引き続き北海道地域の研究機関、大学や民間企業などとの連携を強化してまいります。そして、生産現場のニーズの収集に努め、北海道の酪農、水田作、畑作において、先端技術の導入を図りつつ寒地特有の厳しい気象条件や病害虫等の制限要因を克服する技術開発を行います。さらに、ICT等を活用した収益性の高い大規模生産システムの開発、生産現場と一体となった実証を通じた社会実装を図ることで、北海道農業、食品産業の発展に貢献すべく、職員一同一丸となって取り組んでまいります。

みなさまには、これからも引き続き北海道農業研究センターに対するご指導とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

農研機構北海道農業研究センター
所長 安東郁男(あんどういくお)