農業機械研究部門

所長

所長挨拶



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農研機構 農業機械研究部門
所 長 長﨑 裕司 (ながさき ゆうじ)

 2026年のスタートにあたり、農機研の所長として新年のご挨拶を申し上げます。

 2026年は丙午で60年前は古くからのいわれの影響もあり、出生数がその年だけ落ち込んだことで有名ですが、ポジティブにとらえれば新しい挑戦に向く年ともされます。農研機構はちょうど2026年4月から新たに第6期中長期計画期間に入ります。農機研では、引き続き農林水産省、民間企業、大学及び公的研究機関と連携しながら、農機具、農業機械の開発・改良研究と検査に取り組みます。関係の皆さまと連携してインパクトのある成果を上げることを念頭に、この中長期計画期間の節目である2026年に臨んでまいります。

 農機研では、これまで農研機構が目標として掲げてきた、食料自給率向上と食料安全保障、農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大、生産性向上と環境保全の両立への貢献に対して、より深化した取組を進めたいと考えております。農業機械の開発については、スマート農業技術の核となる飛躍的な労働生産性向上につながる革新的な農業機械の開発にチャレンジするとともに、農業機械技術クラスターの枠組みを活用して多様なプレーヤーと連携することで現場実装を進めます。これは、農研機構が今後重点的に取り組むとしているハブ機能強化の一環として行います。異なるメーカーの農業機械・装置の稼働データ等の相互利用を図る農機APIの取組でも、土地利用型農業と施設園芸でユースケースを提示して、サービス事業体から展開を進めることとしています。また、農作業安全システムの構築に対しては、ICTやAIの活用を進めスマート安全技術として社会実装を加速したいと考えております。

 2025年の秋はいくつかのトピックスがありました。ロボット農機の安全性に関する国際規格であるISO 18497の2024年改訂に至るまでの貢献、サービスロボットの安全要求事項を定めたISO13482の身体アシストロボットに関する改訂への貢献に対し、それぞれ農機研の2名の職員(紺屋秀之グループ長補佐、田中正浩主任研究員)に経済産業省の令和7年度産業標準化事業表彰のイノベーション・環境局長表彰が授与されました。標準化活動を通して安全性の高いロボット農機等の国際的な普及促進に貢献するとともに、2025年4月から開始した新たな安全性検査制度による検査業務を着実に行い、より安全性の高い農業機械が現場で導入・活用されるよう進めます。

 またアグリビジネス創出フェアで紹介し注目を集めたトマトの下葉処理を自動でできるロボットについては、今後は手先にあたるエンドエフェクタを交換して収穫などの複数の作業に対応できる「マルチユースロボット」として開発を進めていきます。みどりの食料システム戦略関連では、有機農業取組面積拡大に貢献するべく開発してきた「両正条田植機」については現地実証を行うとともに、メーカー主体で市販化に向けた取組が進んでおります。人手による除草労力を大幅に削減できる技術として現場から期待されているところです。また、農業現場におけるCO2ゼロエミッション化に向け、自動二輪等の電動化で規格化された共通バッテリーを使用した電動農業機械の開発を進めています。本年は農機研の鴻巣農場に新たな実験施設の整備が完了し、関連メーカー等との連携の場として利用を図りたいと考えております。

 スマート農業への注目が高まる中、農業場面で広く使っていただくため、高い性能とリーズナブルな製品コストを両立したスマート農機が求められています。その研究開発に向けて、引き続き皆さまと連携を深め、ご支援・協力を得られるよう努めますので、よろしくお願いいたします。