農業機械研究部門

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191 精米機(タイム式)

写真

木製回転胴の内面に鉄板を張り,外側は帯鉄で補強してある.胴内上方に,固定軸を中心として回転する10個の角形金剛砥石片を放射状に取りつけた回転翼車 がある.はじめ胴内下部にある漏斗に4斗(60kg)の玄米を入れて胴を回転すると,米は遠心力によって胴の内壁に層をなして凝着する.回転中に回転翼車 は,米層内に連続的に突きささり,米粒を研削精白する.
無砂搗用精米機であるが,あわ,ひえなどの精穀にも利用することができる.所要馬力は2.5馬力,4斗の粘精白時問は約30分.
本機は1932(昭和7)年の農林省動力精米機比較審査に出品しているが,このときの出品人は,大阪市港区田中元町3丁目,大阪タイム式精米機株式会 社.審査の結果,胚芽米用の部の乙位に入選.審査概評によると,「この式は一見構造簡単にして取扱容易なる如きも,搗精程度の検定困難にして,除糠時期の 判定及除糠操作便ならず.尚回転胴は運転中,之に人の触れて危害を受くる虞れなしとせず.之等の点に付一層の研究を要す」.佐藤商会(東京市外板橋)の製 品(第31,993号,第32,995号,第33,905号,第36,431号,第37,035号,第37,036号,第41,627号の特許あり).