農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

追従型野菜運搬車

(2005年発表)

野菜の収穫機との組み合わせ利用に最適

  • 簡易な構造で自動追従
  • 一人でも収穫、運搬
  • ほ場内運搬を効率化

写真
ネギ収穫機との組み合わせ作業(TW1型)

1.利用のメリット

  • 野菜の収穫機に追従することで、作業者1人でも収穫・運搬が可能。収穫物の積み替え作業が容易。収穫機のみでの作業と比較して積載量が増加するため、収穫物のほ場内運搬を効率化。

キャベツ収穫機との組み合わせ作業(TW2型)キャベツ収穫機との組み合わせ作業(TW2型)

2.開発機の概要

  • 野菜の収穫機に自動追従して、収穫物の運搬を行うことのできる運搬車。
  • 追従を行うためのコントロールユニットを搭載しており、収穫機の走行にあわせてクラッチの断続、操舵、速度調節を行い収穫機に追従する運搬車(TW1型)。また、畝溝を走行し、クラッチの断続で追従するものもある(TW2型)。
  • TW1型とネギ収穫機を組み合わせて利用した場合、収穫機に運搬車が近接して追従するため、持ち上げ動作を伴わずに収穫物を入れたコンテナの積み替えが可能。
  • TW2型(履帯中心間距離120cm、荷台幅160cmの設定)とキャベツ収穫機を組み合わせて利用した場合、TW2型に44L容量コンテナが1段積みで13個積載でき、収穫機のコンテナ積載量9個とあわせ、合計22個のコンテナの運搬が可能。収穫機のみの場合と比較して積載量は約2.5倍。

3.活用上の留意点

  • 旋回、後進および傾斜のあるほ場では追従走行不可。 
  • TW2型は、畝なしほ場では追従走行不可。

4.共同研究実施会社

株式会社クボタ

 

5.主要諸元・構造

  • (1)構 造
    野菜の収穫機に追従するためのコントロールユニットを搭載している。先行して走行する収穫機の発進停止や左右方向へのずれを検出し、クラッチの断続および操舵の制御を行うとともに連係部の引き量に応じてアクセルを調節し速度の制御を行い収穫機に追従する運搬車(TW1型)。また、畝溝を走行し、収穫機の発進停止のみを検出して、クラッチの断続で追従するものもある(TW2型)。
  • (2)主要諸元
型 式 TW1 TW2
全長×全幅×全高、質量 245×115×135cm、410kg 183×140~209×87cm、410kg
荷台長×幅、積載量 161×104cm、500kg 156×130~198、500kg
走行部 履帯式(中心間距離78cm) 履帯式(中心間距離90~159cm可変)
コントロールユニット 連係部 クリップ方式(所定以上の張力で連係解除)
検出部 リミットスイッチ、リンク機構 リミットスイッチ
制御部 クラッチの断続、速度調節、操舵 クラッチの断続
最大追従速度 0.4m/s 0.14m/s
エンジン最大出力 4.4kW 3.1kW
備 考 低床(最低地上高15cm) 高床(最低地上高62cm)、畝溝走行
非常停止スイッチ(2カ所)

6.作業性能

  • ほぼ水平なほ場において500kgを積載した条件で、最大追従速度はTW1型で0.4m/s、TW2型では履帯が畝溝を走行する状態で0.14m/sであった。
  • ネギ収穫機にTW1型を追従させて作業をしたとき、一人でも収穫作業を行うことができ、運搬車が収穫機に近接して追従しているため、持ち上げ動作を伴わずに収穫物の積み替えが可能であった。
  • 二人作業、作業速度0.07m/s、畝長さ84mの条件で、キャベツ収穫機にTW2型を追従させて作業をしたときの作業能率は9.1h/10aで、収穫機のみで作業したときの1.7倍であった。
  • (試験場所:茨城県坂東市農家ほ場、福岡県小郡市農家ほ場)