1.利用のメリット
土ぼこりの中で行う腕の疲れる粉砕作業から解放される。自動運転を行うため、作業者は他の付帯作業を併行して行うことができる。
2.開発機の概要
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ボウル式振動フィーダで土壌分析用の風乾土壌を定量供給し、一対の6角柱からなる粉砕ローラと篩で粉砕・篩分けを行う装置。
- 目標量(50~300gの範囲で設定可)の土壌が篩分けられると自動停止し、残土を自動排出。
- 礫の多い土でも粉砕ローラが左右に開いて礫を逃がすため、円滑な作業が可能。
(4)200g程度の土壌篩分けを約2分(350g投入、目開き2mmの篩使用時)で行うことができ、作業能率は人力作業の約2倍。
(試験場所:愛知農総試、鳥取農試、宮崎総農試ほか)
3.活用上の留意点
土塊径2cm未満の風乾土壌を投入し、投入量を500g程度以下にする。
4.委託研究実施会社
株式会社日立製作所
5.主要諸元・構造
| 機 体 |
| 大 き さ |
奥行:48cm、全幅:23cm、全高:41cm |
| 質 量 |
30kg |
| 収 納 部 |
| ホッパ容量 |
1.1 L |
| 粉 砕 部 |
| 粉砕部形式 |
6角ローラ式(1対) |
| 材 質 |
ステンレス |
| ローラ径 |
長径44.5mm、短径41mm |
| ローラ長 |
84m |
| ローラ回転数 |
109rpm(50Hz)、131rpm(60Hz) |
| 篩分け部 |
| 篩目開き |
2mm又は1mm |
| 材質 |
ステンレス |
6.作業性能
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土塊径2cm未満の風乾した畑土壌7種類、水田土壌4種類を供試して試験した結果、粘土含量が高く硬い土や石礫の混入が多い土を含め、すべての土の粉砕篩分けを円滑に行うことができ、装置への土の付着は少なかった。
- 風乾した畑土壌3種類(土性:CL2種、HC)、水田土壌3種類(土性:L、SiC、HC)を350g投入し、粒径2mm又は
1mm未満の土壌を200g程度(通常の分析を行うのに充分な量)回収した場合の平均作業時間(清掃時間を含む)は、畑土壌、水田土壌とも、2mm篩使用
時で約1.4分、1mm篩使用時で約2分であり、作業能率は人力作業の約3~4倍であった。
(試験場所:JA全農岩手、JAとぴあ浜松、JA佐賀経済連ほか)