農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

土壌サンプル粉砕篩分装置

(2002年発表)

土壌分析の前処理を省力化

  • サンプルを投入するだけで自動運転
  • 礫の多い土も楽々粉砕
  • 能率は人力作業の2倍

写真
土壌サンプル粉砕篩分装置

1.利用のメリット

土ぼこりの中で行う腕の疲れる粉砕作業から解放される。自動運転を行うため、作業者は他の付帯作業を併行して行うことができる。

2.開発機の概要

  • ボウル式振動フィーダで土壌分析用の風乾土壌を定量供給し、一対の6角柱からなる粉砕ローラと篩で粉砕・篩分けを行う装置。
  • 目標量(50~300gの範囲で設定可)の土壌が篩分けられると自動停止し、残土を自動排出。
  • 礫の多い土でも粉砕ローラが左右に開いて礫を逃がすため、円滑な作業が可能。 (4)200g程度の土壌篩分けを約2分(350g投入、目開き2mmの篩使用時)で行うことができ、作業能率は人力作業の約2倍。
    (試験場所:愛知農総試、鳥取農試、宮崎総農試ほか)

3.活用上の留意点

土塊径2cm未満の風乾土壌を投入し、投入量を500g程度以下にする。

4.委託研究実施会社

株式会社日立製作所

5.主要諸元・構造

  • 構造
  • 土壌を収納するホッパ、土壌を粉砕する粉砕ローラ、土壌を篩分ける振動篩等から構成される。

  • 主要諸元
機 体
大 き さ 奥行:48cm、全幅:23cm、全高:41cm
質 量 30kg
収 納 部
ホッパ容量 1.1 L
粉 砕 部
粉砕部形式 6角ローラ式(1対)
材 質 ステンレス
ローラ径 長径44.5mm、短径41mm
ローラ長 84m
ローラ回転数 109rpm(50Hz)、131rpm(60Hz)
篩分け部
篩目開き 2mm又は1mm
材質 ステンレス

6.作業性能

  • 土塊径2cm未満の風乾した畑土壌7種類、水田土壌4種類を供試して試験した結果、粘土含量が高く硬い土や石礫の混入が多い土を含め、すべての土の粉砕篩分けを円滑に行うことができ、装置への土の付着は少なかった。
  • 風乾した畑土壌3種類(土性:CL2種、HC)、水田土壌3種類(土性:L、SiC、HC)を350g投入し、粒径2mm又は 1mm未満の土壌を200g程度(通常の分析を行うのに充分な量)回収した場合の平均作業時間(清掃時間を含む)は、畑土壌、水田土壌とも、2mm篩使用 時で約1.4分、1mm篩使用時で約2分であり、作業能率は人力作業の約3~4倍であった。
    (試験場所:JA全農岩手、JAとぴあ浜松、JA佐賀経済連ほか)