1.利用のメリット
簡単な操作で、高い施肥精度と作業能率とを両立した施肥作業が可能。また、機種や新旧を問わず幅広いトラクタに搭載することができる。さらに、適切な施肥設計に従った作業が可能になるため、肥料投入量の低減が期待できる。
2.開発機の概要
- 施肥量制御機能、経路誘導機能及びGPS受信機を含むコントローラ、少量散布対応シャッタを備えた施肥機本体から構成される、ブロードキャスタ型の施肥機である。施肥量制御に用いる肥料の流動性指標値(FR値)は、FR値測定器により測定する。
- 設定施肥量、FR値、GPSの速度情報に基づきシャッタ開度を適切に制御するため、5kg/10aから100kg/10aを超える広い施肥量範囲で高精度な施肥作業ができる。
- GPSの速度情報を利用した車速連動機能により、作業速度やスリップ率の変化の影響を受けず、高い施肥量精度を維持できる。
- GPSの位置情報を利用した経路誘導機能により、目安となるポールを設置したり、畦数を数えたりすることなく、一定の作業行程間隔での施肥作業を容易に行うことができる。
3.活用上の留意点
造粒されていない有機質肥料や粉状資材など、FR値の測定が困難な資材を使用する場合は、通常のブロードキャスタと同様に試し繰出し等により散布量を調整する必要がある。
4.共同研究実施会社
株式会社IHIスター、株式会社ササキコーポレーション
5.主要諸元・構造

6.作業性能
- FR値、設定施肥量、GPSの速度情報、経路誘導機能と連動する作業幅設定値に基づきシャッタ開度を調節し、高精度(施肥量誤差約±10%以内)な施肥作業ができる。
- シャッタ回動角と繰出量変化の関係を最適化し少量散布に対応した施肥量調整シャッタにより、5kg/10a程度の少量から精度の高い作業を行うことができる。
- GPSの速度情報による車速連動機能により、作業速度やスリップ率の変化の影響を受けることなく高い施肥量精度を維持できるため、ほ場条件によって選択した最適な作業速度で効率的に施肥作業を行うことができる。
- GPSの位置情報を利用した経路誘導機能により、目安となるポールを設置したり、畦数を数えたりすることなく、適切な作業行程間隔で施肥作業を行うことができる。
(試験場所:北海道岩見沢市、北海道厚真町、宮城県大崎市、茨城県龍ヶ崎市、新潟県長岡市、生研センター)