1.利用のメリット
清拭カップの「正逆転する清拭ブラシと洗浄水の作用」によって、タオルを使わないで乳頭の根元から先端まで洗浄・清拭可能。
操作が簡単で、作業者による違いが少なく、高い清拭効果が安定して得られる。
乳頭刺激はタオル清拭より良好で、乳頭の張りは顕著。過搾乳防止が期待できる。
2.開発機の概要
- 円筒清拭カップ内に「正逆転する清拭ブラシ、洗浄水噴射ノズル、吸引排水・水切り作用」を有する乳頭清拭装置。 再汚染防止のため、洗浄汚水は回収する。
- 清拭ブラシは、乳頭を包み込むように「挿入口を兼ねる根元ブラシ、側面ブラシ、先端ブラシ」をブラシホルダで一体化して構成。清掃・交換が容易である。
- 約30秒/頭の機械清拭で、除菌効果は、「変法ミネソタ法と遜色ない」ことを確認。
- 乳頭刺激は適切で、乳頭の張りは顕著。過搾乳防止が期待できる。
3.活用上の留意点
- 使用後、清拭カップ、清拭ブラシ、汚水回収ケースを洗浄し、清潔に保管すること。
4.共同研究実施会社
オリオン機械株式会社
5.主要諸元・構造

6.作業性能
- 1頭につき約30秒の機械清拭作業で、変法ミネソタ法と遜色ない除菌効果が得られた。
- 搭載バッテリ1台で連続30頭の清拭ができた。洗浄水使用量は、400~500ml/頭であった。
- 乳牛及び作業者とも本装置での清拭にすぐ馴れ、1ヶ月間、円滑に作業できた(モニター農家)。
- 乳頭刺激は適切で、乳頭の張りはタオル清拭より良好であった。乳頭損傷は観察されなかった。
(試験場所:根釧農試、長野県伊那市、埼玉県さいたま市、北海道野付郡別海町)