農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

搾乳ユニット自動搬送装置

(2002年発表)

「ゆとりの楽 (酪)農」を低コストで実現

  • 能率2倍、50頭1人で1時間、歩く距離も半減
  • 重い搾乳ユニットは自動搬送・自動接続、1台で2頭同時搾乳
  • 牛もすぐ馴れ、つなぎ飼い牛舎の搾乳も楽々

写真
搾乳ユニット自動搬送装置と搾乳作業の状況

1.利用のメリット

  • これまで2~3人で行っていたつなぎ飼い50頭の搾乳が、1人1時間で可能。余裕ができた労力を規模拡大や粗飼料生産の拡充等に活用。

2.開発機の概要

  • つなぎ飼い牛舎内のレール上を2頭同時搾乳できるユニット(乳頭からの自動離脱装置付き)が搾乳牛まで自動的に移動し、ミルク配管に自動的に接続、搾乳後は自動的に離脱して次の牛へ移動する装置。0.3m/secで走行(駆動モータはDC24V30W)。自動搬送、手動搬送の切換が可能。搬送装置相互の衝突回避センサー及び緊急停止ボタンを装備。
  • 作業者は、乳頭清拭、カップ装着及び搾乳後の乳頭消毒のみで、歩く距離は半減。
  • 50頭規模では搬送装置4台(8ユニット)を使用して1人で作業、80頭規模以上では6台(12ユニット)を使用して1~2人で作業。
  • 乳牛は、本装置での搾乳作業に10日程度で馴れる。
  • (試験場所:長野県伊那市酒井牧場)

    3.活用上の留意点

    ミルク配管の径と勾配は、ミルクラインで同時に搾乳する頭数に応じて変える必要がある。

    4.共同研究実施会社

    オリオン機械株式会社

    搾乳ユニット自動搬送装置の概要搾乳ユニット自動搬送装置の概要

    5.主要諸元・構造

    • 構 造
      本装置は、搬送用レールとこれに懸架して走行する搬送装置本体(搬送部、ミルクタップ着脱部、制御部等)及び充電設備等で構成され、自動離脱装置付き搾乳ユニットを左右に搭載し自動搬送する。
    • 主要諸元
      搬送装置本体の大きさ全 長(mm) 750
      全 幅(mm) 500
      全 高(mm) 600
      質 量(kg) 26
      搬送部搬送方式 レール懸架式
      走行車輪
      駆動方法
      ブラシレスモータ DC24V・30W×1
      搭載ユニット数 2 (各7.5kg)
      走行速度(m/s) L:0.24、H:0.3
      ミルクタップ着脱部着脱方式 2連タップ同時
      ディストリビュータ支持機構 バネによるフローティング支持
      制御部プログラマブルコントローラ 自動搬送モード
      手動走行モード
      停止ボタン
      衝突回避センサー 光電スイッチ
      電源ニッケル水素電池 DC24V・1900mAh
      充電設備ホームポジションレール内に収納 AC100V
      最大2.0A供給
      搬送用レール 主レール・分岐ポイント・分岐レール
      許容載荷質量(kg) 80
      搭載する自動離脱装置ユニット離脱方式 電動モータ巻上
      搾乳完了・ユニット離脱確認センサ 赤外線センサ

    6.作業性能

    本搬送装置4台(8ユニット)を1人で使用した時の搾乳作業能率(1人1時間当たり搾乳頭数)は52~56頭で、導入前の22頭(2~3人で6ユニット使用)に対し2倍以上となった。

    [参考]乳牛は本装置での搾乳に10日程度で馴れ、乳量低下は見られなかった。

    また、作業者の歩行距離は導入前に比べ半減した。(試験場所:長野県伊那市酒井牧場)