農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

高精度固液分離装置

(2004年発表)

副資材不要のたい肥化を低コストで実現

  • そのままたい肥化可能な固形分含水率 75%以下の分離性能
  • 異物混入も問題なし
  • シンプル構造により低コストを実現

写真
高精度固液分離装置

1.利用のメリット

  • 乳牛舎等から排出される高水分のふん尿をそのままたい肥化が可能な固形分と液状分に分離。面倒な水分調整作業や副資材は不要。
  • 小石、釘等の異物の混入によるスクリーンの破損なし。スクリーン交換頻度の低減により、メンテナンスコストを減少。

スクリーンスクリーン

2.開発機の概要

  • 乳牛舎等から排出される含水率90%程度のふん尿を含水率75%以下の固形分と液状分とに分離するスクリュープレス型の固液分離装置。電動機、スクリュー、スクリーン等で構成。
  • スクリーン目の方向が平行と傾斜した2種類のウェッジワイヤスクリーンを組合せることによって固形分のスムーズな排出を促進し、毎時3~5m3程度(搾乳牛50頭分)の処理量を確保。
  • スクリュー軸と同軸で組み込んだバネによる圧力調整方式で構造が簡単になり、固形分の含水率75%以下を維持。
  • ふん尿に混入する異物(小石、釘、氷塊など)によるスクリーンの破損を防止できる切り欠き形状のスクリューを搭載。
  • (試験場所:山梨畜試、埼玉県さいたま市遠藤牧場)

回転方向図

3.活用上の留意点

敷藁等はふん尿を高精度固液分離装置へ投入する前に除去する必要がある。

4.委託研究実施会社

株式会社クボタ

 

高精度固液分離装置の模式図高精度固液分離装置の模式図

5.主要諸元・構造

  • 構 造
    目幅1mmのウェッジワイヤスクリーンで構成した外筒内に、切り欠き形状のスクリューを配設した固液分離装置。原料投入口側スクリーン目の方向は、材料の進行方向に対して平行な構造とし、固形分排出口側は傾斜したスクリーンを用いている。
  • 主要諸元
    機体の大きさ 全 長(mm) 1,800
    全 幅(mm) 1,000
    全 高(mm) 1,100
    質 量(kg) 300
    固液分離方式室 スクリュープレス式
    スクリーン 種 類 ウェッジワイヤ式
    目幅(mm) 1.0
    形 状 入口側:平行
    排出側:傾斜
    スクリュー 直径(mm) 250
    形 状 切り欠き形状
    圧力調整方式 バネ式
    電動機 (kW) 5.5

6.作業性能

  • 乳牛舎から排出される含水率90%程度のふん尿を副資材を加えなくてもたい肥化可能な含水率75%以下の固形分と液状分とに分離できた。処理能力は、3~5m3/hであった。
  • スクリューを切り欠き形状とすることで、ふん尿中に混入する異物(小石、釘、氷塊など)によるスクリーンの破損を回避することができた。
  • スクリーン目の方向が異なる2種類のスクリーンを組み合わせた構造により、固形分がほぐれて排出されやすくなり、安定した連続運転ができた。
  • (試験場所:山梨県畜産試験場、遠藤牧場)