農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置

(2004年発表)

使えるたい肥の省労力生産

  • 経験不要、手間要らず、インテリジェンスなたい肥化装置
  • 病原菌、雑草種子の死滅したたい肥の一次処理がわずか4週間

写真
品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置

1.利用のメリット

たい化処理の最適化、自動化により、作業者の経験によらず、4週間で確実にたい肥化一次処理を終了。一次処理で有機物分解率30%程度、たい肥材料温度60°C以上を達成し、耕種農家が求める病原菌や雑草種子の死滅した高品質なたい肥を生産。

2.開発機の概要

  • たい肥化処理の過程でたい肥材料の品質を管理し、その情報に基づいて通気、かくはん作業等のたい肥化処理を最適化し、高品質なたい肥を生産する装置。昇降機構を有するかくはん部、たい肥化過程のたい肥材料の品質を測定して装置を自動制御する品質管理制御システム、走行部で構成。
  • 品質管理制御システムは、位置センサによってたい肥材料の投入位置を把握し、たい肥化処理日数、温度に応じて通気量及び通気時間を自動制御。たい肥化処理日数、温度、たい肥材料から発生する臭気の各データによりたい肥化処理状況やたい肥化一次処理の終了時を把握。
  • たい肥材料のかくはん作業は、かくはん装置によって週1回程度実施。さらに品質管理制御システムによってかくはんが必要と判断された処理区に対し、その区間のみかくはんを行い、たい肥化処理の促進を図る。
  • (試験場所:群馬畜試)

    品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置の概要品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置の概要

    3.活用上の留意点

    • 搾乳牛100頭相当(処理量7.5t/日程度)以上の大規模農家や共同利用たい肥化施設等を対象。
    • 臭気対策の必要なところでは脱臭装置の設置が必要である。

    4.共同研究実施会社

    株式会社クボタ

    品質管理制御システムの概要品質管理制御システムの概要

    5.主要諸元・構造

    • 構 造
      本装置はかくはん部、品質管理制御システム、走行部から構成される。かくはん部はロータリかくはん方式で昇降機構を有し、品質管理制御システムは温度、臭気、位置センサ等から構成される。
    • 主要諸元
      機体の大きさ全 長(mm) 3,200
      全 幅(mm) 6,140
      全 高(mm) 3,240
      質 量(kg) 5,500
      走行部速度(走行/かくはん)(m/分) 0.6/0.3
      走行方式 4輪式(車輪・レール併用)
      動力(kW/輪) 0.2
      かくはん部方 式 ロータリ式
      往復かくはん型
      かくはん爪直径(mm) 2,000
      かくはん軸回転数(rpm) 30
      かくはん動力(kW) 11
      昇降動力(kW) 0.75×2台
      かくはん軸支持方式 2点支持

    6.作業性能

    • 本装置を仕切壁のない長さ60mの通気型たい肥舎に設置し、品質管理制御システムを用いてたい肥材料のかくはん作業を行った結果、かくはん部の昇降機構と位置センサ及び各種情報に基づいて指定された箇所のたい肥材料を自動的にかくはんすることができた。
    • 牛舎から搬出されたたい肥材料に、自動制御による通気と週1回のかくはん条件でたい肥化を行った結果、たい肥材料温度60°C以上を2日間以上維持しつつ、4週間でたい肥材料の有機物を30%程度分解することができ、臭気センサ等でたい肥化処理状況やたい肥化一次処理の終了時の把握ができた。
    • (試験場所:群馬県畜産試験場、宇都宮大学)