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対象家畜鶏、うずら
特徴

ポックスウイルス科に属する鷄痘ウイルスの感染による疾病で、鶏とうずらでは届出伝染病に指定されている。皮膚の無羽部や粘膜の発痘を主徴とし、皮膚型、粘膜型、両者を発症する混合型に分類される。皮膚型は粘膜型に比べて回復しやすく、痂皮形成が特徴的である。粘膜型は口腔、咽喉頭部、気管などの粘膜に病変が形成され、発育阻害や他の呼吸器病との合併による死亡率の増加を示す場合がある。また、産卵率の低下や産卵停止が認められる場合もある。品種、性、日齢に関係なく感染するが、1ヶ月齢前後から初産鶏で多発する傾向がある。
ワクチンの普及や衛生管理技術の向上により、鶏痘の発生は著しく減少したが、年間を通じた散発的な発生が続いている。
対策
有効な治療法はない。本病は感染鶏の羽毛や病変部の瘡蓋に含まれるウイルスの直接および間接的接触や飛沫の吸入により、皮膚や粘膜の創傷部から感染する。また、カやワクモなどの吸血昆虫による機械的に伝播もあるため、ワクチンによる予防および吸血昆虫の駆除が感染拡大防止には有効である。ワクチン接種後、1週間くらいで善感(よく発痘している)しているかどうかを確認する。
鶏痘ウイルスは乾燥に対する抵抗性は強いが、熱に対しては比較的弱く50°C 30分間あるいは60°C 8分間の加熱で不活化される。また、消毒の励行など一般的な衛生管理も大切である。
[写真:鶏痘に罹患した鶏の顔面および肉冠(とさか)に多数の発痘が認められる(岐阜県中央家畜保健衛生所提供)]
動物衛生研究部門 : 大田方人、渡辺聡子
参考情報
- 家畜の監視伝染病 鶏痘
情報公開日 : 2018年1月10日
情報更新日 : 2024年11月18日